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特異的に結合する隣接した2つのプローブをハイブリダイゼーションしたのちに両者をラ

イゲーションし,ユニバーサルプライマーを用いて増幅することにより特異性と簡便性を

確保する

4)

。染色体上のさまざまな領域をカバーする多くのキットが市販されており,同

一症例の正常DNAを必要とせず,汎用性の高い方法である。

d.アレイCGH(comparativegenomehybridization)およびSNPアレイ

ガラスまたはシリコンチップ上にDNA断片(多くは25-100塩基のオリゴヌクレオチ

ド)を固定したアレイに蛍光標識した腫瘍由来のゲノムDNAをハイブリダイゼーション

させ,正常DNAとの比を測定することによりコピー数を解析する

5)

。ゲノムワイドにコ

ピー数を解析する方法として一般的であり信頼性も高い。SNPアレイは一塩基多型sin-

glenucleotidepolymorphism(SNP)を認識するプローブを集めたアレイを用いて,腫瘍お

よび同一症例の正常組織(血液)由来のDNAの間で多型部位でのヘテロ接合性を比較し,

LOHの有無(上記)を見る方法であり,多数の多型部位がゲノム全体で同時に調べられる

という利点がある。ただ,これらアレイを用いる方法はいずれも専用の機器を必要とし,

またコストが高いことから,一般の臨床診断に応用することは難しいと考えられる。

઄.遺伝子変異解析

a.サンガーシークエンス

遺伝子の点突然変異解析を行う方法としてのゴールドスタンダードはサンガー法による

46

第2部

脳腫瘍診断・病理カラーアトラス

1q

19p

CDKN2A

19q

1p

図2-4

MLPAにより検出されたoligodendrogliomaにおける1p19qcodeletion

1pの15のプローブ,19qの8つのプローブのほぼすべてが閾値以下の値を示し,1pと19qが全

域にわたって欠失があることが示されている。1q(3つのプローブ)と19p(2つのプローブ)は閾

値内にあり,それぞれコピー数異常を認めないため,典型的な1p/19qcodeletionであることが

分かる。[SALSA®

MLPA®

P088kitを用いてCoffalyser.Netにより解析(MRC-Holland)]