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択した。文献検索の対象期間は,2016年5月までとした。予備調査の結果,各CQに関
する日本語の論文ではメタ解析,無作為化比較試験,分析疫学的研究(コホート研究,症
例対照研究,横断研究)は存在しないことが分かったため,原著は英語に限定した。
3.
文献の適格基準
文献の適格基準は下記の通りとした。
・成人を対象としている。
・日本語(総説)または英語(総説および原著)で記載されている。
・対象患者はがん患者である。
・国内で施行可能な方法・薬物である(保険適用の有無は問わない)。
・メタ解析,無作為化比較試験,または分析疫学的研究(コホート研究,症例対照研
究,横断研究),記述研究(症例報告,ケースシリーズ)のいずれかである。
・記述研究(症例報告,ケースシリーズ),日本語総説および英語総説の内容は,解説
で紹介してもいいが,推奨する根拠にはしない。
4.
エビデンスレベル
エビデンスレベルは表1の通りとした。
5.
エビデンスレベルを決定する際に参考とした研究デザイン
エビデンスを決定する際に参考とした研究デザインは表2の通りである。一つのCQでA,
B,C,Dに該当する複数の報告が存在する場合は,その中で最も高いエビデンスを採用した。
表1 エビデンスレベル
A
(高い)
今後さらなる研究が実施されても,効果推定への確信性は変わりそうにない。
B
(中程度)
今後さらなる研究が実施された場合,効果推定への確信性に重要な影響を
与える可能性があり,その推定が変わるかもしれない。
C
(低い)
今後さらなる研究が実施された場合,効果推定への確信性に重要な影響を
与える可能性が非常に高く,その推定が変わる可能性がある。
D
(非常に低い)効果推定が不確実である。
表2 文献の研究デザイン
A
質の高い複数の無作為化比較試験から得られた一貫性のある結果あるいはそのメタ
解析
B
質の高い無作為化比較試験,質の高い非無作為化比較試験
*1
,一致した結果の複数
のバイアスの少ない分析疫学的研究(コホート研究,症例対照研究,横断研究)
C
上記に該当しない分析疫学的研究,質の低い無作為化比較試験
*2
D
記述研究(症例報告,ケースシリーズ),専門家の意見など
*1
クロスオーバー比較試験を含む。
*2
症例数が少ない,あるいは非盲検などバイアスリスクが大きい。