・ 食道胃接合部の上下2 cm以内に腫瘍中心があるものを,その組織型にかかわらず食道

胃接合部癌とする(図3)。

・ 食道胃接合部は食道胃接合部より口側の部分をE,肛門側の部分をGと記載し,図4の

ように分類する。

・ TNM分類(第8版)では癌腫の中心が食道胃接合部より胃側2 cm以内にあり食道側に

浸潤するもの(Siewert typesⅠ/Ⅱ)では食道癌と分類されるが,癌腫の中心が胃側2 
cmから5 cmにあり食道側に浸潤するもの(Siewert type Ⅲ)は胃癌に分類される。

【食道胃接合部診断基準】

 内視鏡による診断を優先する。
1.内視鏡
・食道下部柵状血管の下端
・柵状血管が判定できない場合は,胃の縦走ひだの口側終末部
2.X線(上部消化管造影)
・食道下端の内腔が最も狭小化している部位
・滑脱型食道裂孔ヘルニアを有する症例では胃の縦走ひだの口側終末部
・バレット食道を合併する症例では胃の縦走ひだの口側終末部

4  第1部 規約と説明

図3.食道胃接合部領域の定義(西の分類に基づく)

参考図.Siewertの食道胃接合部腺癌の分類

図4.食道胃接合部癌の分類と記載法