Ⅱ.原発巣の記載
1.病巣の大きさと数
原発巣および各病巣の最大長径(mm)とそれに直交する最大横径(mm)を記載する。
・ 病変が多発している場合,主たる病巣は壁深達度の深いもの,壁深達度が同じ場合は最
大径が大きいものとする。
・判定対象(造影,内視鏡,新鮮検体,固定検体,その他)を記載する。
・病理組織切片と固定検体の写真を対比しで再度測定することが望ましい。
2.占居部位
1)胃と食道胃接合部領域の区分
長軸:上部(U),中部(M),下部(L),食道(E),十二指腸(D)
短軸:前壁(Ant),後壁(Post),小彎(Less),大彎(Gre),全周(Circ)
食道胃接合部:E,EG,E=G,GE,G
・ 胃の大彎および小彎を3等分し,それぞれの対応点を結んで,胃をU(上部,
Fundus
),
M(中部,
Corpus
)およびL(下部,
Antrum and pylorus
)の3つの領域に分ける(図
1)。E(食道)またはD(十二指腸)への浸潤も記載する。
・ 小彎,大彎,前壁,後壁および全周を区分し,これらを小(Less),大(Gre),前(Ant),
後(Post),周(Circ)で表す(図2)。
・ 病巣が隣接する2領域以上にまたがっている場合は,腫瘍中心がある領域を先に書き,
その次に浸潤の及んでいる領域を書き加える。
記載例:LD, UML, GreAnt, LessPost
Ⅱ.原発巣の記載 3
図1.胃の3領域区分
E
※
U
M
※
※
L
D
図2.胃壁の断面区分
小 Less
大 Gre
前 Ant
後 Post