Ⅰ.記載法の原則
所見を示すT,Nなどはすべて大文字で表記する。その程度はアラビア数字で示し,不
明の場合はXを用いる。臨床分類(clinical classification)と病理分類(pathological clas-
sification)を表のように区別する。それぞれ接頭辞c,pを用いて,cT2,pN2などと表
す。接頭辞のないものは臨床分類を意味するものとする。臨床分類は治療法の決定の基礎
となり,病理分類は予後評価の基礎となる。
術前療法が行われた場合の記載法については,
「Ⅸ.進行度」(p.26)を参照のこと。
T,N,Mに関しては,診断上確実と思われるカテゴリーを記載し,疑いのみの場合は
採用しない。
例:CT検査で領域リンパ節が描出されるが転移とは診断できない→N0
組織学的所見の記載順は,部位,肉眼型,大きさ,組織型,壁深達度,浸潤増殖様式,
リンパ管侵襲,静脈侵襲,断端,リンパ節転移とする(p.28チェックリスト参照)。
2 第1部 規約と説明
臨床分類
clinical classification
病理分類
pathological classification
身体所見
X線・内視鏡診断,画像診断
腹腔鏡検査,手術所見(開腹・腹腔鏡下)
生検・細胞診,生化学的・生物学的検査
その他(遺伝学的検査など)
内視鏡切除および手術で得られた材料の病理診断
腹腔洗浄細胞診
【本版での青字表記について】
胃癌取扱い規約では,第14版以来,腫瘍のT/N/Mカテゴリーと病期に関してUICC/
TNM分類と共通の記載法を採用しているが,わが国独自の表記ルールも多い。本版で
は両者を区別する目的で,TNM分類(第8版)と共通の部分を
青字
で示した。