33

2

VII

．画像所見と分類

　原発巣は基本型に分類され，付随所見とともに考慮することにより下記のようにTNM分類と
相関し，その根拠となる。

表2．画像所見とTNM分類

病　型

CT

所見

 A 

．基本型

　 1 ．潜在型occult type

・無所見（TX，T0）

　 2 ．すりガラス型pure ground glass type

・すりガラス成分のみで構成され，病変全体径≦3 cm（Tis）
・すりガラス成分のみで構成され，病変全体径＞3 cm（T1a）

　 3 ．部分充実型part solid type

・病変全体径≦3 cmかつ充実成分径≦0.5 cm（T1mi）
・病変全体径にかかわらず，充実成分径＞0.5 cm，≦1 cm（T1a）

　 4 ．充実型solid type

・充実成分のみで構成され，充実成分径≦1 cm（T1a）

　 5 ．部分充実型part solid typeおよび充実型solid type共通

・充実成分径＞1 cm，≦2 cm（T1b）
・充実成分径＞2 cm，≦3 cm（T1c）
・充実成分径＞3 cm，≦4 cm（T2a）
・充実成分径＞4 cm，≦5 cm（T2b）
・充実成分径＞5 cm，≦7 cm（T3）
・充実成分径＞7 cm（T4）

 B 

．付随所見

　 1 ．肺外浸潤

近接諸臓器への直接浸潤所見：
・臓側胸膜，主気管支浸潤，無気肺を伴う場合はT2
・胸壁，横隔神経，心外膜浸潤はT3
・ 横隔膜，縦隔，心・大血管，気管，反回神経，食道，椎体，気管分岐部浸潤はT4

　 2 ．リンパ節腫大リンパ節腫大所見

・ 同側肺門（N1）

（直接浸潤を含む），同側縦隔または気管分岐部（N2），対側肺門，対側縦隔，

鎖骨上窩または下頸部（N3）

　 3 ．遠隔転移

転移所見
・ 同一肺葉内結節（T3），同側他肺葉内結節（T4），対側肺結節（M1a），胸膜播種・悪性胸水

（M1a），悪性心囊水（M1a），他臓器単発転移（M1b），他臓器多発転移（M1c）

＊その他

・手術，放射線療法，化学療法などにより生じた変形
　先行合併病変（肺結核，塵肺症，など）