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カウンタートラクションとoff the ground
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組織にカウンタートラクションを
かける場合,基本的に術者の左手
(エネルギーデバイスを持つ反対の
手)の鉗子の使い方が重要になる。
左手の把持する組織量は,その組
織量によってどの程度のカウンター
トラクションをかけても組織がちぎ
れて損傷しないかといった,術者の
重要な感覚にかかわることだ。習得
するには経験も重要になるが,前項
の説明のとおりに組織を把持するこ
とを心がけ,左手の訓練をすること
で適切なカウンタートラクションが
かけられるようになる。
カウンタートラクションのかけ方
には図2の3つが想定される。
手術の場面ごとに①〜③のどの
カウンタートラクションをかけるか
を選択し,手術を進めていくことに
なるが,できるだけ左手で切離部位
近傍の組織を把持することを意識
した,①か②のカウンタートラクショ
ンがかけられる状況に術野を展開す
る必要がある。③の重力を利用した
カウンタートラクションが必要にな
る場面もあるが,基本的には術野
展開が決まっていれば,術者は左手
の鉗子を自由に利用してカウンター
トラクションを自在にかけることが
可能である。
手術を進めていくうえでは,この
3つのカウンタートラクションの使
い分けと,左手の使い方とpoint di
ssection,linear dissectionの切離
方法,すなわち右手の使い方の組
み合わせを適切に選択することが
重要である。
3つのカウンタートラクションの使い分け
図2
●
カウンタートラクションの3つのかけ方
術者と助手の鉗子で反対方向の力を加える
臓器自体の重さを利用して,重力の反対方向の力を加える
臓器の固定部位を利用して,固定部位に垂直な方向の力を加える
カウンタートラクション①
カウンタートラクション③
カウンタートラクション②