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診
診
診
1
CQ 1-1
3) 外因性のインスリン,経口血糖降下剤,内因性のインスリン異常分泌(自律性のインスリ
ン分泌),インスリン自己免疫症候群を鑑別するため病歴聴取とC- ペプチドおよびプロ
インスリン測定を行う(
グレードA
)。
4) 確定診断のために低血糖を誘発する条件で検査を行う。空腹時低血糖を示す症例では72
時間絶食試験を行う。食後にのみ低血糖を示す症例では混合食試験(mixed meal test)を
行う(
グレードA
)。72時間絶食試験の実施が困難な症例で,C- ペプチド抑制試験が有用な
ことがある
4)
(
グレードB
)。
絶食試験などで否定されても低血糖を繰り返す例などに,カルシウム溶液を用いるSASIテ
ストで最終診断がつけられることがある
5, 6)
。原発腫瘍は膵に局在する。
⿎
文献
1) Service FJ, Dale AJD, Elveback LR, Jiang NS. Insulinoma- Clinical and diagnostic features of 60 consecutive
低血糖の疑い
※1
低血糖は否定
低血糖は誘発されたか?
低血糖時のインスリン値は抑制されているか?
インスリノーマ,NIPHS
※4
,
胃バイパス術後の低血糖
膵臓由来の不適切なインスリン分泌か?
※3
インスリンに依存しない低血糖
低血糖は否定
※2
外因性インスリン,経口血糖降下剤,
インスリン抗体またはインスリン受容体抗体
による低血糖を考慮
低血糖を起こす条件で検査
・72時間絶食試験(空腹時低血糖例)
・混合食試験(食後にのみ低血糖を来す例)
病態鑑別へ
低血糖時の検体で,インスリン値,C-ペプチド,血中経口血糖降下薬濃度測定
随時検体で,インスリン抗体,インスリン受容体抗体測定
はい
いいえ
いいえ
いいえ
はい
はい
いいえ
いいえ
はい
はい
低血糖を疑わせる病歴は濃厚か?
または,空腹時血糖は70mg/dL未満か?
Whippleの3徴を
認めるか?
図1
低血糖の診断のフローチャート
※1
薬物治療中の糖尿病患者では糖尿病の治療内容を調節し,低血糖を合併し得る他の病態(重篤な疾患,コルチゾー
ル欠乏症,インスリノーマ以外の腫瘍,IGF-Ⅱ産生腫瘍など)の存在が疑われる症例では,Whippleの3徴を確
認後,各病態の診断・治療を行う。
※2
誘発試験で否定されても繰り返し症状を呈して臨床的に疑わしい場合に,C- ペプチド抑制試験や,時にはSASI
テストを用いてインスリノーマやNIPHSの診断が得られる場合がある。
※3
C- ペプチドが抑制されず,経口血糖降下剤・インスリン抗体・インスリン受容体抗体が検出されないものが該当する。
※4
Noninsulinoma pancreatogenous hypoglycemia syndrome(機能性のβ細胞障害)。