胞が増えるとリンパ節転移が形成され,時間の経過に伴って,より遠くのリン
パ節に順次転移が進みます。
 大腸癌がある程度進行すると,近くのリンパ節には癌細胞が潜んでいる可能
性が高くなります。そこで,手術では大腸だけでなく,転移の可能性のあるリ
ンパ節も切除します。これをリンパ節郭清といいます。リンパ節郭清の範囲は,
大腸癌のステージに応じて決められます(22ページ

図19

参照)。

Q4

2 リンパ節を取っても大丈夫ですか?

 リンパ節はからだ全体に多数分布しています。大腸癌の手術で切除されるリ
ンパ節は,切り取られる大腸の領域から集まってくるリンパ液の関所の役割を
しています。手術では大腸癌に関連した領域のリンパ節を取るだけですので,
その領域のリンパ節を取ってもからだに悪影響はありません(22ページ「手術
治療」参照)。

大腸癌の外科治療

Q5

1 手術が必要といわれ,大腸を20~30 cm切り取るといわれま

した。後遺症は大丈夫でしょうか?

 大腸の手術後の後遺症は,結

けっ

ちょう

癌と直

ちょく

ちょう

癌で異なります。大腸の長さは

1.5~2 mほどあり,結腸を20~30 cm切除しても,大腸のおもな機能であ
る水分の吸収は残った大腸で十分に果たせますので後遺症はほとんどありませ
ん(2ページ「大腸とは」参照)。これに対し,直腸を切除した場合には,本来
直腸に備わっている便をためる能力と便を押し出す能力が損なわれるため,排
便の回数が増加したり,残便感が持続するなどの排便機能障害をきたします。
一般的にはこのような後遺症は手術直後に強く,半年から2年ほどの年月をか
けて徐々に改善しますが,回復の程度には個人差があります。

Q5

2 手術を受けるにあたり,排尿機能と性機能に障害が残る可能

性があると説明されました。原因を教えてください。

 直腸の周囲には神経のネットワーク(骨

こつ

ばん

ない

りつ

しん

けい

)が存在します。この神

経は膀

ぼう

こう

や尿道などの泌

尿

にょう

や,前

ぜん

りつ

せん

や膣

ちつ

などの生

せい

しょく

に分布しています。

直腸癌が神経ネットワークに浸

しん

じゅん

したり,神経の近くに転移リンパ節がある場

合,根治手術を行うためには,自律神経のネットワークの一部,または全部を
切除する必要性が生じます(24ページ「直腸癌の手術」参照)。神経の切除範囲
に応じて,程度は異なりますが,尿意が鈍くなり,排尿しても膀胱に残ってい

A

A

A

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Q&A