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第
2
章 痔瘻の手術
恥骨直腸筋は如何に触診するか
肛門管内に示指を挿入した場合,まず触診でき得るのは括約筋によって狭くなっている管
状部分,肛門管である。
指診をそれより奥へ進めると,急に広がった管腔(直腸膨大部)を感じることができる。
肛門後方において,この括約筋群に囲まれた狭い管腔と広がった管腔の境あたりが恥骨直腸
筋が存在する高さである。
狭い管腔(肛門管)
広い管腔(直腸膨大部)
恥骨直腸筋
恥骨直腸筋はU字型に直腸肛門管を後方より前方に牽引するように走行する。
最近,恥骨直腸筋は直腸の肛門で太い筋束ではなく腱のようになって存在することが判明
したが,それにしても後方で触診できる。
括約筋により囲まれた
狭い管腔部分
歯状線