アナフィラキシーへの対応をマスターする1131さらに,少なくとも次の 1 つを伴う(日本アレルギー学会.アナフィラキシーガイドライン 2022 を参考に作成)A.気道 / 呼吸:重度の呼吸器症状(呼吸困難,呼気性喘鳴,気管支れん縮,吸気性喘鳴,PEF低下,低酸素血症など)B.循環器:血圧低下または臓器不全に伴う症状〔筋緊張低下(虚脱),失神,失禁など〕C.その他:重度の消化器症状〔重度の痙れん性腹痛,反復性嘔吐など(特に食物以外のアレルゲンへの曝露後)〕乳幼児・小児:収縮期血圧が低い(年齢別の値と比較),または 30%を超える収縮期血圧の低下または気管支れん縮喉頭症状STEP 1アレルギー症状の対応STEP 1 アナフィラキシーかどうかを判断するSTEP 2 アナフィラキシーならアドレナリンを含めた対応を開始STEP 3 アナフィラキシー未満の症状であれば症状への対応し経過観察1.皮膚,粘膜,またはその両方の症状*が急速に(数分〜数時間)発症した場合*全身性の蕁麻疹,瘙痒または紅潮,口唇・舌・口蓋垂の腫脹など2.典型的な症状を伴わなくても,患者にとって既知のアレルゲンまたはアレルゲンの可能性がきわめて高いものに曝露された後,血圧低下または気管支れん縮または咽頭症状*が急速に(数分〜数時間)発症した場合*吸気性喘鳴,変声,嚥下痛などアナフィラキシーかどうかを判断する・・アナフィラキシーの定義:複数臓器に全身性のアレルギー症状が惹起され,生命に危機を与えうる過敏反応1)。・・まずアナフィラキシー(=強いアレルギー症状)であることの認識が重要(図 1)。図 1 アナフィラキシーと認知する上記の基準のいずれかを満たす場合,アナフィラキシーである可能性が非常に高い
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