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8敗血症の診療の流れ敗血症対応に備えておく敗血症かもしれないと認知したら,まず宣言する・・限られた人員で“迅速かつ遺漏なく”敗血症に対応するには平時の備えが大切である。・・小児科外来,救急外来,病棟などで「モノ」を揃えておく。・・酸 素:リザーバー付き酸素マスク・・輸液路の確保:留置針や骨髄針,輸液製剤・・検 査:血算,生化学,凝固系,血液ガス,血液培養・・年齢や体重に応じた投薬リストと投与量の早見表があると便利である:輸液のボーラス投与量,抗菌薬,循環作動薬,ブドウ糖,グルコン酸カルシウム水和物なども含む。・・患者情報のチェックリストも作成する:高リスク群となりえる既往歴,入院歴,抗菌薬投与歴なども含めたSAMPLEヒストリーに加えて,耐性菌検出歴などカルテから収集すべき項目も含めておく。・・専攻医がPALSなどで小児急変対応を学ぶことは大切だが,自施設の看護師・医師とも急変対応をシミュレーションするなど「ヒト」の備えも重要である。・・周囲の医療スタッフ(看護師,上級医,状況によっては近くの臨床研修医や救急医など)に向けて,目の前の患者を「敗血症と認知して対応を開始する」ことを宣言し,人手が要ることを明言する(重症かもしれないと心の中で焦っても誰も助けてくれない)。・・患者情報の収集を依頼する。・・バイタルサインを測定し,敗血症または敗血症性ショックに分類する。

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