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敗・敗血症についての入り口は,例にもれず『敗血症の定義』からはじまる。敗血症に対する共通認識を持つこと,また未だはびこる敗血症に対する種々の誤解を解くことが,重要だからである。誤解とは「敗血症=菌血症」や「低血症とは何か?敗血症診療の到達目標・抗菌薬開始前に血液培養を十分量採取する・できる限り感染巣を明らかにし,それに合わせた抗菌薬を選択する・耐性菌のリスク,保菌情報も考慮して抗菌薬を選択する126Chapter 2小児感染症診療の実践敗血症頻度:★★★★☆ 重症度:★★★★★疾患のトリセツ 「敗血症」とは早期認知,介入するための道具である。深い歴史を知らなくても道具は使える 敗血症=菌血症(1914年)→全身炎症反応症候群(SIRS)+感染症(1991年)→(死亡率が高くなる)臓器障害+感染症(2016年)という定義の変遷をたどっている。小児はいまだ「SIRS+感染症」という状態。今後変わりうる 小児の敗血症は成人と同様に死亡率20%程度の超重症疾患である 敗血症の認知を正確にできる方法はまだ決まっていない。ただし挙動を統一し,早められるように認知バンドルを各々つくる 敗血症認知後はアルゴリズムに沿った初期対応を行い,全身管理が可能な施設への移送を考慮する敗血症01

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