15076T
7/11

3. 検査で異常があれば「病気」病気かどうかは検査によって分かる、と漠然と思っている一般の人もまた多く存在していて、これは内科での体験やイメージを引きずっているのだと思っています。インフルエンザの検査キットで陽性→インフルエンザと診断された、みたいな体験から、お医者さんにかかる、という行為は、病院に行く→検査がされる→診断がなされる、という流れを踏むという感覚として体感されているのでしょう。精神科で検査をするのは、まず身体疾患を除外するときです。初診で来院した患者に採血や頭部MRI、脳波検査などを行って、精神症状を呈する神経疾患や身体疾患ではないことを確認するということは誰もがやっていると思います。この点については、拙著『精神症状から身体疾患を見抜く』(金芳堂、2020)が詳しいのでぜひ読んでみてください。あるいは、発達障害を疑った人に、心理検査が行われることがありますね。もちろん診断は検査の結果を参考に精神科医が行うわけで、検査に異常があったからといって、発達障害と診断できるわけではありません。1 「病気」という言葉から連想されるもの025

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る