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1 「病気」という言葉から連想されるもの精神科の「病気」のイメージは特殊です。ふつうは専門家の考えというのが主流で、他が亜流になるわけですが、人口の比から言えば逆に考えるほうが理にかなっているでしょう。一般の人が「病気」にどういうイメージを持っているかは、まずは推測するしかありません。患者さんの言葉から、あるいは友人や家族の言葉から、非精神科医療従事者が「病気」についてどう考えているかを構築する必要があります。それから、私自身が24歳までは精神科診療とは無縁に、18歳までは医療と無縁に生きていたわけで、そのときの記憶を掘り起こしてみます。あくまですべての人のイメージを網羅できるわけではありませんが、実際現場で問題となることを起点に考えていくと、ある程度妥当な像が形成されたように思います。ひとつずつ見ていきます。1. 診断されたら「病気」精神科領域の「病気」というのは、精神科医が診断することによって初めてその存在が021

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