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自己免疫・炎症性疾患手などの末梢関節が多く、疼痛・腫脹を伴い関節炎となっていることが実際にある。あとは足関節や膝も多い。・・フェリチンはしばしば上がるが、上がるだけでなく通常はびっくりするくらい高いのがふつうである。万の単位、あるいはせめて10,000くらいはあるだろう。・・成人スティル病では関節炎がよくみられることも重視したい。・・山口基準で「関節痛」という項目があるが、関節炎としておいたほうが診断としての特異性は上がると思われる。・・非専門医が不明熱患者を成人スティル病の基準に当てはめようとするとき、患者の「体のあちこちが痛い」のような訴えを関節痛として数えてしまうことがあるからである。・・山口基準の小基準のひとつである「咽頭痛」を重視してしまうと、たとえば「“のどが痛い”+不明熱・不明炎症+高フェリチン血症」という患者を、白血球増多や関節炎がないのに成人スティル病疑いとしてしまう。これは亜急性甲状腺炎を疑うべきである。・・成人スティル病の罹患年齢には幅があり、40代くらいが多く、やや女性に多い。中高年にもあり得る疾患である。・・成人スティル病由来の症候として、胸膜炎や心膜炎などもある。よって胸水がみられることは、ありふれている。・・合併症として怖いのが、治療関連の感染症のほかに、マクロファージ活性化症候群(MAS)がある。これは、成人スティル病自体の病態とは異なり、血球数が著しく下がっていくことから気づかれる。・・MASは、病態としてはDICや血球貪食症候群などと境界が曖昧である。成人スティル病に使うトシリズマブがトリガーにば、成人スティル病ではなくリンパ腫の可能性が高い。成人スティル病は白血球が高い。成人スティル病

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