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・・このことを強調するのには理由がある。白血球増多と関節炎を・・聞けば「フェリチンが高いので…」などと言うので、53万くらいあるのかと思えば「1,800です」などと言われると少し厳しいものがある(1,800は成人スティル病かもと思うには低過ぎる)。・・他方、真面目で指導的な医師が「成人スティル病はあくまで除外診断である!」などと嘯くものだから、本当に大真面目に全部除外しようとする若年医師が増産されてしまうという現状も・・「成人スティル病は除外診断である!」というのは、建前上は確かにそうだが、これが詭弁であることを見抜かなければならない。・・たとえば、成人スティル病の診断に際して除外すべしとされる血管炎や結核やリンパ腫やキャッスルマン病といった疾患は、そもそも除外などできるだろうか。・・リウマチ性多発筋痛症もまた除外診断なのだといえば、リウマチ性多発筋痛症の診断の際に成人スティル病も除外しなければ・・成人スティル病の診断に際しては、菌血症のような“目の前で問題になる感染症”は必ず否定しなくてはならないが、専門家やこれまでの諸家たちの知見から、「これらが組み合わされば成人スティル病の可能性が高い」という、そういう病像があるのである。・・それを成人スティル病に関して具体的かつ雑にいえば、「炎症を伴う不明熱+白血球増多+フェリチン著増+関節炎」となる。・・LDHが肝酵素に比して高く、血小板減少などの血球減少があれ重視せずに、不明熱にフェリチン上昇、リンパ節腫脹、脾腫、肝機能異常などが加わったケースについて、大真面目に「成人スティル病疑い」などと言い、無理のある推定をしている者がたくさんいるからである。ある。ならなくなる。「除外診断する疾患」同士が互いに鑑別対象となっていたらどうなるのであろうか。……これにて論破終了である。–13631362

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