ytliarf身体予備能□✓図1 フレイルの概念(老年医学領域)Shrinking□ 体重の減少6カ月で2kg以上該当項目0 健常1~2 プレフレイル3以上 フレイル図2 フレイル評価法(J—CHS基準)84 第2章 高齢がん患者の主治医になったら?Forceの提唱する概念14)に準じてがん治療の対象となる高齢者か否かを“fit”と“unfit”に大別し,“unfit”症例を“frail”,“vulnerable/pre—frail”に細分化することが提唱された。これらの分類を用いて高齢がん患者の治療適応を判断することで,高齢がん患者に対し過侵襲となる治療を防ぎ,適切な治療の恩恵を被ることが期待される。なお,老年腫瘍学領域におけるfrailは,がんが進行性の疾患であること,またがん治療の侵襲性が高いことなどから,「積極的な治療適応がないと思われ(文献11,12より作成)健常(ロバスト)プレフレイルフレイル(frailty)ストレス疾患ストレス疾患ストレス要介護の危険が高い状態疾患老年症候群疾患加齢(文献10より作成)身体障害(disability)要介護□ 歩行速度の低下通常歩行速度 <1.0m/秒Exhaustion□ 疲れやすい(ここ2週間)わけもなく疲れた感じfitvulnerable図3 フレイルの概念(老年腫瘍学領域)SlownessWeakness男性<28kg,女性<18kgLow activity軽い運動・体操/定期的な運動・スポーツともにしていないfrailaging□ 握力の低下□ 身体活動性の低下る状態」と定義され,可逆性が前提の老年医学領域におけるフレイルとは異なる(図3)13)。すなわち,老年医学領域における「フレイル」は老年腫瘍学領域における「vulnerable」に相当すると考えられる。実は,老年医学領域のfrailtyを日本語で「フレイル」とよぶようにしたことが,老年腫瘍学領域のfrailをそのまま日本語で発音したことにより日本では混乱が生じているだけで,英語ではfrailty≠frailであるためそれほど混乱は生じていないようである。しかし,日本では音が同一
元のページ ../index.html#11