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 不明熱とはなにか

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明熱」ならではの鑑別診断を冷静に思いつくことができる。
 また,十分に鑑別診断が思いつかないのであれば,さらに知識と経験があ
る医師に助けを借りることもできる。

不明熱を攻略するにはまずは得られた

 

背景情報から

,類型化することからはじめる

 最も重要なことは,患者背景をよく検討することである。実は,患者背景
ごとに不明熱となる頻度の高い疾患はある程度決まっている(

Table 7

)。まず

はその頻度が高い疾患を念頭に診療を進めていくのである。

Table 7

背景ごとに分けた不明熱の鑑別疾患の特徴

古典的不明熱

 

感染症

,膠原病,悪性腫瘍,薬剤熱

院内発症不明熱

 

カテーテル関連血流感染症

 

挿管関連の副鼻腔炎

,偽膜性腸炎,見逃されている膿瘍

 

薬剤熱

,深部静脈血栓症・肺塞栓など

好中球減少症に

伴う不明熱

 

いわゆる発熱性好中球減少症の状況で発症する細菌感染に
よる膿瘍性病変

 

ハイリスク患者では播種性カンジダ症

,アスペルギルス症

など

 

非感染性では薬剤熱

・腫瘍熱など

 

真の原因不明のものの一定数存在

 

非感染性の不明熱は好中球回復とともに多くの場合は解熱

HIV感染症関連の

不明熱

感染性

 

抗酸菌

(HIV

関連で最多の原因

)結核,非結核性抗酸菌

Mycobacterium avium complex

  Pneumocystis pneumonia

  CMV

感染症

 

中枢神経トキソプラズマ

 

クリプトコッカス

非感染性

 

薬剤熱

 

免疫再構築症候群