● 緊急被ばく医療とは,放射線事故・放射線災害や原子力災害で発生した被ばく・汚染を伴うあらゆる傷病者への急性期医療である。 ● 緊急被ばく医療において医療現場における需要と供給の不均衡の度合いは低いが,救急医療に加えて,放射線に関する知識が必要となるため,医療の特殊性が増す。 ● 想定される病態は,放射性物質による体表面汚染や放射線源からの外部被ばくと,放射性物質の吸入や経口摂取,創傷部位からの侵入による内部被ばくがあり,かつ,外傷・爆傷・内因性疾患などを組み合わせた多種多様となる。 ● 被ばく・汚染を伴う事故における汚染傷病者の急性期死亡の最大原因は,外傷・熱傷や合併疾病であり,急性放射線障害や汚染そのものが致死的な原因となることは極めて稀である。 ● 緊急被ばく医療は,最優先で通常の救急医療を提供する。よって,緊急被ばく医療においても救命優先の原則が適用される。 ● 患者受け入れ要請があった場合,対応医師は受け入れの可否について病院管理者(院長など)へ連絡をする。 ● 受け入れ決定の場合,病院管理者(院長など)は緊急被ばく医療に関連する部署へ医療従事者の派遣を依頼する。 ● 参集した医療従事者は初対面の場合,自己紹介を通衡均不の給供と要需の療医い合度116①救命優先の原則②放射線に関する対応患者受け入れの連絡医療従事者の参集して,緊急被ばく医療の役割を確認する。災害医療救急医療対応医師病院管理者関係各部署緊急被ばく医療医療の特殊性(2)緊急被ばく医療の重要点▲ 緊急被ばく医療の重要事項(3)緊急被ばく医療における来院前の対応▲ 緊急被ばく医療を開始するための連絡体制7 緊急被ばく医療(1)緊急被ばく医療の定義▲ 緊急被ばく医療の立ち位置
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