● 胸部X線画像には,解剖学的な構造として,肺,縦隔,心臓,気管,気管支,肋骨,消化管ガス,などが投影される。● 胸部X線画像は,呼吸器系や循環器系の● 撮影対象となる疾患例を左に示す。これらはあくまで一部の例であり,実際はより多くの疾患に対して撮影が行われる。● 撮影体位は,それぞれの疾患に応じてさまざまである。よく用いられる体位として,立位正面像,立位側面像,側臥位像,背臥位正面像,などが挙げられる。● 立位正面像では,P-A方向(背腹方向)で最も多く撮影されるが,疾患に応じてA-P方向(腹背方向)で撮影される場合もある。● 一般的には,120 kV程度の高管電圧を用い,最大吸気時に撮影が行われる(疾患によって呼気で撮影する場合もある)。● 腹部X線画像には,解剖学的な構造として,腹部臓器,消化管ガス,骨格(腰椎,骨盤など)が投影される。● 腹部X線画像は,急性腹症をはじめとし● 撮影対象となる疾患例を左に示す。これらはあくまで一部の例であり,実際はより多くの疾患に対して撮影が行われる。● よく用いられる撮影体位として,背臥位正面像,背臥位側面像,立位正面像などが挙げられる。● 一般的には,組織コントラストを向上させるため,胸部X線撮影より低い80 kV程度の管電圧を用いた撮影が行われる。放射線の医学利用第3章1 画像診断41疾患を中心に,幅広い適応がある。た種々の疾患に対して適応がある。肺腫瘍無気肺心不全肺水腫など異常腫瘤影消化管内ガス異物脂肪層陰影など▲ 胸部X線撮影▲ 腹部X線撮影撮影対象となる疾患例肺炎気胸胸水撮影対象となる疾患例急性腹症腹水フリーエアー腹水
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