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● 左図は,小児がんになり放射線治療を受け生存をした父親または母親,そしてその配偶者である非被ばく者,その両親から生まれた子ども(非被ばく者)の3群で,それぞれ血液の染色体異常(二動原体染色体など)を解析した研究である。● 放射線治療を受けた生存者は10~9,200 mSv(平均640 mSv)を生殖腺へ被ばくしている。● 結果①より,放射線治療を受けた生存者は,その配偶者および子どもとではp<0.001であった。つまり,被ばくをした親の二動原体染色体異常数が有意に多かったといえる。● 結果②より,非被ばく者である配偶者と子どもとではp=0.416となった。つまり両者間に有意差がみられなかった。● これらの結果より,親の被ばくによる次世代への影響(遺伝的影響)はないといえる。● この他にも広島・長崎の原爆被爆による遺伝的影響も調査されているが,これまでにヒトでの遺伝的影響は確認されていない。● これらの結果は,ICRPにおいても重要なエビデンスとして認められており,被ばくによる人体への影響は遺伝的影響より,発がんリスクを重視する理由として後押しされている。**543210数常異体色染体原動二の)301×(りたあ胞細154「Tawn EJ, Whitehouse CA, WintherJF, et al:Chromosome analy-(「TawnEJ, Whitehouse CA, WintherJF, et al.:Chromosome analysissis in childhood cancer survivors and their off spring-no evidence in childhood cancer survivors and their offspring-no evidence for for radiotherapy-induced persistent genomic instability. Mutat radiotherapy-induced persistent genomic instability. MutatRes:Res. 583:198-206, 2005.」より引用改変583 :198-206, 2005.」より引用改変(要申請・2.5万円))放射線治療小児がん生存者小児がん生存者10〜9200mSv(平均640mSv)の生殖腺への被ばく3群それぞれ血液の染色体異常を解析(5)遺伝的影響▲ 染色体異常の比較被ばくをした父親または母親被ばくをした親(n=25)配偶者(n=26)子ども(n=43)① *:p<0.001② p=0.416被ばくをしていない父親または母親配偶者非被ばく者この両親から生まれた子供

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