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● 核医学治療とは,体内に投与した放射性同位元素(radioisotope:RI)を使用した治療法である。● 核医学治療の他,種々の名称が使われている。→非密封核種内用療法,内照射療法,内部照射,RI内用療法,アイソトープ治療● RIで標識した薬剤が病巣に集まる性質と,組織内飛程が短いb線やa線を利用した治療法であり,「組織選択性の治療」といわれている。● 治療原理は下記の通りである。 ①RIで標識した薬剤を経口また静注投与する。 ② RIで標識した薬剤が病巣に集積する(ターゲ● 標識に使う薬剤の条件は,「病巣部に多く集積し,正常部への集積は少ないこと」である(病巣部のみ● 次の3つの特徴が挙げられる。◦RIの組織選択性を利用する。 →作用範囲が広く,副作用が少ない。◦ b線やa線の細胞障害作用を利用す● 広範囲に分布している病巣(転移巣な第10章核医学治療1 概 要 1 治療原理▲ 核医学治療の原理β線,α線RI病巣組織選択性の治療④標的細胞表面に特異的に結合⑤非結合RIは腎臓・肝臓より排泄される278経 口または静 注RI病巣②血管外遊出③標的細胞内へ浸透①RIの静脈内投与 ④ b線やa線は組織内飛程が短いため,RIを取り込んだ病巣のみ放射線が照射されることになる。● 使用されるRIは,組織内飛程が短い放射線(b線, a線)を放出し,物理学的半減期が短く,生物学的半減期が適度(長すぎず,短すぎず)であることが条件となる。に集積することが理想)。ティング)。 ③ 病巣内部に集積したRIから放射線(b線, a線)が放出される。る。◦ 診断と治療を同時に行うことが可能である。 →T heranostics:Therapeutics+Diagnostics.ど)にも有効である(A)。三輪建太・宮司典明・村田泰輔 2 特 徴▲ 核医学治療の特徴A. RIの組織選択性

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