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 肝・胆道シンチグラフィ

2

 床

消化器

 

例では排泄が遅延するので,24時間後までは観察が必要である。先天性
胆道閉鎖症では後述の完全閉塞と同様,腸管へのRIの排泄を全く認め
ない(

図11

)。先天性胆道閉鎖症では,尿路系への排泄を認めるので,

腸管と誤認しないよう注意を要する。Alagille症候群(肝内胆管形成不
全)では24時間後でも排泄を認めないことがあり,先天性胆道閉鎖症と
は鑑別が困難なことがある。
2)急性胆嚢炎
 炎症のため胆嚢管が閉塞されるので,1時間以内ではほとんどの例が
胆嚢を描出せず,3~4時間後でも描出しなければ疑いは濃厚である。重
症の胆嚢炎では炎症が周囲の肝実質に及ぶとその部にRIが集積し,hot 
rim signを示すことがある。慢性胆嚢炎では1~3時間後に胆嚢が遅れて
描出されることがある。

図11

 新生児黄疸

6分後

20分後

3時間後

24時間後

5分後

10分後

15分後

先天性胆道閉鎖症

乳児肝炎

24時間後

20分後

30分後

40分後