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3.読影/解析法

子の吸収にともなうアーチファクトは日常臨床において最も遭遇する頻度
が高く,最も悩まされるアーチファクトでもある。

対策として読影の際に再構成画像以外の周辺情報を極力参照することが

肝要である。この周辺情報には症例の年齢,性別,体格,臨床データ(心
電図所見,心エコーでの壁運動所見など),再構成画像以外の画像データ

〔planar像(平面像),投影像,心電図同期SPECTの壁運動所見など〕が

含まれる(

図13

)。

b. 体動アーチファクト(motion artifact) SPECTデータ収集中の体動
により生ずるアーチファクトが体動アーチファクトである。体動は検査台
に対する体の動きのみでなく,胸郭に対する心臓の動きなども要因として
含まれ,運動負荷後の収集中における過呼吸の解除により生ずる横隔膜と
心臓の頭側への移動(upward creep)も体動アーチファクトの原因とし
て知られている。

体動アーチファクトでは冠動脈の支配域と一致しない局所的な集積低下

が多発することが多い(

図14

)。投影データやサイノグラムから体動を示

唆する所見を読み取るといったことが対策として挙げられるが,画像処理
中に診療放射線技師が気付くことも多く,読影者に指摘してもらうとよ

図14

 体動アーチファクト

SPECT短軸像(左)では冠動脈疾患としては分布が合わない複数の集積低下を認める(矢印)。
サイノグラム(右)では曲線に滑らかではない部分があり(矢印),体動があることが把握できる。

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心心

心心

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心心心心