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〔2〕
心筋SPECTの実際
検査方法
心筋血流イメージング剤と投与回数
3種類ある心筋血流イメージング剤の比較の概要を
表1
に示す。
99m
Tc
標識製剤では心筋停留性が高いのに対して,
201
TIでは再分布現象があり,
経時的に心筋の分布が変わる。前者では負荷検査において,通常負荷時と
安静時にそれぞれ1回ずつRIを投与するのに対して,後者では負荷時に
RIを投与して負荷時血流を反映する早期像を撮像し,時間経過を待って
から安静時血流・心筋バイアビリティを反映する再分布像を撮像する。
安静時検査
安静心筋血流SPECTでは安静時に1回RIを投与して,所定の時間が経
過してから通常1回のSPECT撮像を行う。
201
TIでは投与後10〜15分程
度で,
99m
Tc標識製剤では投与後30分以上空けてから撮像を開始する。
1
1
2
201
T1
99m
Tc-MIBI
99m
Tc-tetrofosmin
集積機序
能動輸送
拡散,膜電位拡散,膜電位
心筋集積率
約3%
2%弱
2%弱
初回循環抽出率
85〜90%
T1より低値
T1より低値
標識方法
−
100℃加熱
室温で放置
撮像開始時間
10〜15分
30分以降
30分以降
再分布現象
有
わずか
わずか
負荷検査での投与回数通常1回
2回
2回
緊急検査への対応
不可能
可能
可能
ファーストパス法
不可能
可能
可能
ゲート法
可能(やや困難)可能
可能
核種の半減期
約73時間
約6時間
約6時間
光子エネルギー
70〜80keV
140keV
140keV
表1
心筋血流イメージング剤の比較
心筋SPECTの実際
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