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眼底写真撮影検査
とは,眼底検査法〔直像
鏡検査,倒像鏡検査,眼底写真(カメラ)
撮影検査〕の1つで,
眼底カメラ
を用いて
眼底像を「取得」する検査である。
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眼底写真撮影検査は,散瞳剤を使用する
散
瞳型
と自然散瞳を利用する
無散瞳型
に分け
られる(521頁参照)。
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通常,瞳孔を覗くと真っ黒で何も見えない
が,瞳孔に外部から照明を与えると内部に
ある
網膜の状態
が明瞭に観察できる。これ
をカメラで撮影し,診断に利用するのが眼
底写真撮影検査である。
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眼底写真では眼底にある網膜の血管を観察
できる。すなわち,眼底は生体の中で唯一
非侵襲的に直接血管を観察
することのでき
る組織である。
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網膜動脈は,内頸動脈の一分枝であるた
め,脳血管の病変を反映する。また,眼
底には,
高血圧
,
動脈硬化
,
糖尿病
,
全
身性エリテマトーデス
(systemic lupus
erythematosus
:
SLE
)などの疾患におけ
る合併症が現れる。合併症は,眼底写真で
の所見としてとらえることができる。
無散瞳型
散瞳型
眼底検査
直像鏡検査
倒像鏡検査
眼底写真撮影検査
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