2.肩関節
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2.肩関節
4)スカプラY像
■体 位
立位で上腕骨の前面を受像面の中心よりやや上方に付ける。
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上体の前額面は受像面と平行な状態から,非検側が受像面から離れるように70°から80°回
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旋する。
肩峰先端と肩甲棘後面を結ぶ直線を受像面に対して垂直にしてもよい。
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上肢は自然下垂位で,手掌は体側につける。
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■中心線
水平より頭尾方向20°の中心線で,肩甲棘後面の内側に斜入する。
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肩甲骨が挙上している場合には,肩甲棘に対して下方へ10°から15°で入射してもよい。
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■X線像
肩甲骨の内側縁と外側縁が一致して,胸郭と分離する。
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肩甲棘と烏口突起の頸部および棘上窩によってY字状を示し,最も長く平板状に描出した肩
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峰と鎖骨が連なる空間に上腕骨頭が描出する。
上腕骨は肩甲骨に重複する。
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⇨修正用9パターン 214ページを参照
〔診断・読影のポイント〕
肩甲骨がY字に描写される。肩関節正面像とほぼ直交する撮影である。疼痛のため肩関節の可動
域制限のある場合でも撮影できる。肩関節脱臼時の骨頭の位置,肩甲骨腫瘍(特に外骨腫など),
肩甲骨轢
れき
音
おん
症,上腕骨頸部腫瘍の評価に有用である。