頭部撮影法

1】

3

1.頭蓋骨

〔診断・読影のポイント〕

前頭部病変には後前方向,後頭部病変には前後方向で撮影を行うのが基本である。
正確に撮影すれば眼窩内に側頭骨錐体上縁が投影され,内耳道が確認できる。左右差2mm以
上は病的である。
観察ポイントは頭蓋冠の性状(punched-out像や指圧痕の有無など),骨縫合線,上顎洞であ
る。左右対称な側脳室脈絡叢の石灰化は正常である。松果体の石灰化が正中から3mm以上変
位していたら病的である。
前後像では側頭骨部縫合線があたかも線状に離開した骨折のように見える。
陥没骨折は打撲部を接線方向で撮影したほうが病変を明瞭に示せる。
上顎洞では含気に左右差がないか観察する。坐位撮影でニボーを形成していれば液体が貯留して
いる。