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5.肘関節

上肢撮影法

5】

2)肘関節側面像

■体 位

坐位で上腕部から前腕部を描出できる受像面に肘関節の内側を付け,上腕を水平にする。

肘関節は90°屈曲し,前腕は手掌を垂直にする。

手関節の位置で前腕の遠位側を3cm(6°)上げる。

■中心線

受像面に垂直な中心線で,外側上顆の45°外側前方1.5cmの点に入射する。

■X線像

上腕骨滑車および上腕骨小頭を同心円に描出し,その外周に尺骨の滑車切痕を均一な間隔で

描出する。
橈骨関節窩と鉤状突起関節面が一致する。

 ⇨修正用9パターン 215ページを参照

〔診断・読影のポイント〕

上腕骨滑車矢状面,肘頭,鉤状突起,上腕骨小頭矢状面,橈骨頭,肘頭窩,鉤突窩の状態を見る。
橈骨頭と小頭の適合が悪い場合には橈骨頭脱臼・亜脱臼となる。肘頭骨折は側面像で容易に把握
できる。肘頭窩,鉤突窩の関節鼠の把握にも有用である。