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1422 第 13 章 病理検査て準備しておかなければならない.また,十分な感染対策を行う必要がある.試験切除(生検,バイオプシー;biopsy)材料 生体の臓器・組織の一部を試験的に採取して検査する.1.採取法 i 針生検(needle biopsy) 本法は乳腺,肝臓,腎臓,リンパ節,前立腺等の実質性臓器を穿刺して,小組織片(径1~2 mm,長さ10~20 mm)を採取する方法である.細い針を使用する場合は,穿刺吸引生検(fine needle aspiration biopsy;FNAB,20~25G)と呼ばれる.太い針を使用する場合は,コア生検(core needle biopsy;CNB,14~18G)と呼ばれる.また,乳腺の針生検には吸引式針生検(vacuum—associated breast biopsy;VAB)も用いられている.吸引式乳腺組織針生検は吸引力を利用して組織を採取する方法で,マンモトームTM(Mammo-tome)(デヴィコアメディカルジャパン),バコラTM(Vacora)(メディコン)という機械が用いられるため,それぞれマンモトーム生検,バコラ生検と呼ばれる. ii 鋏切生検(パンチ生検;punch biopsy) 切除鉗子をもって組織表面からその小片を採取する方法である.各部位に応じて種々の長さの切除鉗子があるが,現在では軟式鉗子を内視鏡に組み合わせた装置を使用して,気管支,口腔粘膜,食道,胃,十二指腸,大腸,膵管,胆管,膀胱,子宮頸部,子宮内膜,関節滑膜等の広範な部位から,病巣を直視しながら生検材料を採取できるようになった.a■図13-1 生検組織および手術材料の取り扱い検体・依頼書の提出肉眼的観察検体処理 スライス(実質臓器) 切り開き(管腔臓器)迅速診断用組織の採取急速凍結固 定固 定脱脂・脱灰切り出し包 埋包 埋包 埋薄 切薄 切染 色迅速染色電子染色超薄切病理診断電顕用試料の採取その他各種検査用試料の採取凍結切片用凍結保存用培養,フローサイトメトリー用

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