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材料:末梢血,ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本核酸:ゲノムDNA,RNA標的遺伝子に対するプライマー使用(限局的な増幅)ジデオキシ法(dye-terminator)■図 12-17 次世代シークエンシング技術における解析ステップ(サンガー法との比較)II 遺伝子関連検査 1375次世代シークエンシングを決定する方法である.末端塩基の識別については,発明当時は放射性物質を標識したジデオキシリボヌクレオチドが使用され,別チューブで各 4 種類のジデオキシリボヌクレオチドを添加した伸長反応を行い,電気泳動後に断片長を比較しながら塩基配列を決定した. さらに,PCR において耐熱性ポリメラーゼが使用されるようになった 1988 年以降,PCR増幅した後にジデオキシ法によりシークエンシングを行うサイクルシークエンシング法が開発された(Murray V:Nucleic Acids Res 17:8889, 1989,および Carothers AM, et al:BioTech-れるようになった.標識物質についても蛍光物質が利用されるようになり,キャピラリー電気泳動および自動蛍光検出装置を備えたキャピラリーシークエンサーにより配列を決定するようになっている. 後述のように,次世代シークエンス法というさらに画期的な技術が開発されたが,ジデオキシ法によるシークエンシング技術は標的をある程度絞ってシークエンシングする場合は非常に利便性の良い方法であり,今後も使用される方法であると思われる. それまでのシークエンシング技術とは大きく異なる原理に基づくいわゆる次世代シークエンシング技術に基づく解析装置が 2005 年に登場した.それ以降,開発が進みシークエンシング部分の技術革新が続いている.「次世代シークエンシング」と呼ばれるが,実際のシークエンシングの方法を反映できる表現としては,「大量並列シークエンシング」となる.ここでは,がんゲノムプロファイリング検査(2025 年 4 月現在,6 種類の検査試薬がサンガーシークエンシングより 1980 年に 2 回目のノーベル化学賞を受賞している).伸長反応時に,デオキシリボヌクレオチドの他にジデオキシリボヌクレオチドを添加することで,ランダムにジデオキシリボヌクレオチドが取り込まれると伸長反応が停止する.末端の塩基の種類を判別して鋳型配列niques 7:494—499, 1989).微量な鋳型を用いてシークエンシングが可能になり,広く利用さ 15 次世代シークエンス法核 酸 抽 出断片化(超音波破砕)アダプター(共通配列オリゴDNA)付加P C R 増 幅アダプターをプライマーとして伸長(網羅的な増幅)シークエンス解析前処理可逆的ターミネーター法(reversible terminator)12遺伝子関連検査・染色体検査

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