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心電図判読と心エコー検査のポイント

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虚血性心疾患

虚血性心疾患の心電図はST低下,ST上昇,異常Q波が特徴であり,狭心症や心筋梗塞
の診断に不可欠な検査である。どの誘導に特徴が現れるか判断することで,狭窄部位や
梗塞部位がわかり,責任血管の同定も行える。
急性心筋梗塞の場合は,高頻度で心室細動,心室頻拍などの致死性不整脈を併発するの
で,正確な心電図の判読が必要となる。対処も重要であり,処置までバスタオルをかけ安
静を保つなど,交感神経を緊張させない配慮が必要となる。

冠動脈の支配領域と壁運動異常の範囲は密接な関係があり,重要な基礎知識となる。左
冠動脈(LCA)は左冠動脈主幹部(LMT)

より分岐した左前下行枝(LAD)

と左回旋枝(LCX)

の本幹2本とその分枝からなり,右冠動脈(RCA)は本幹1本とその分枝からなる。それ
ぞれの冠動脈には番号が付けられているので,血管名と併せて覚えることが必要である。

右冠動脈

(RCA)

左前下行枝

(LAD)

後下行枝(4PD)

LCA
left coronary artery

LMT
left main trunk

LAD
left anterior descending artery

LCX
left circumflex artery

RCA

right coronary artery

4PD

4 posterior descending

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冠動脈の走行

左冠動脈主幹部

(LMT)

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左前下行枝

(LAD)

左回旋枝

(LCX)

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