すぐに役立つ がん放射線治療 看護入門

がん放射線治療の看護現場で役立つノウハウが“すぐに”わかる!

編 著 平田 秀紀 / 角 美奈子 / 後藤 志保 / 久米 恵江
定 価 2,376円
(2,200円+税)
発行日 2018/03/20
ISBN 978-4-307-70233-1

B5判・128頁・図数:25枚・カラー図数:25枚

在庫状況 あり

がん放射線治療の看護に精通した看護師と医師が共著し、最低限知っておくべきことを凝縮した一冊です。看護師が記したQ&Aで最低限の基本をつかんだうえで、医師による臨床知識も理解できます。また、手技やアセスメントだけではなく、患者とのコミュニケーション法や、協力が欠かせない放射線技師との連携方法についても多く触れています。初めて放射線治療にかかわる看護師はもちろん、現場を仕切る看護師にもお勧めです。
第1章 総論
Q&A
解説 総論
 はじめに
 1.放射線治療看護技術とは
 2.IT時代の看護とは
 3.サイエンスとしての放射線治療看護学を目指して
 4.臨床サービス

第2章 頭部および頭頸部
Q&A
解説1. 脳腫瘍
 1.脳の解剖と機能
 2.脳腫瘍と分類
 3.腫瘍関連症状
 4.神経膠腫の治療
 5.そのほかの脳腫瘍
 6.脳腫瘍に対する放射線治療
 7.急性反応とその対応
 8.遅発性反応とその対応
 コラム 鎮痛薬を飲みたがらない患者さん
解説2. 頭頸部腫瘍
 はじめに
 1.頭頸腫瘍
 2.放射線治療の特徴
 3.全人的ケア
 コラム 病棟看護師とのやりとり

第3章 乳腺
Q&A
解説 乳がん
 1.乳房の局所解剖と機能
 2.乳がんの特徴
 3.乳がんに対する基本的放射線治療
 4.照射方法
 5.急性反応
 6.晩期反応

第4章1 胸部
Q&A
   2 食道
Q&A
解説 胸部腫瘍および食道がん
 1.胸部の解剖と検査
 2.肺がんの治療選択
 3.食道がんの治療選択
 4.胸部放射線治療の特徴
 5.胸部放射線治療の有害反応と対応

第5章 上腹部
Q&A
解説 肝胆膵がん・リンパ腫ほか
 1.上腹部の局所解剖と機能
 2.上腹部のがんの特徴
 3.上腹部に対する基本的放射線治療
 4.急性反応
 5.晩期反応
 コラム 人の手を借りることへの抵抗感について

第6章 骨盤部および前立腺
Q&A
解説 前立腺がん
 1.骨盤部(男性)の解剖と機能
 2.骨盤部の癌の特徴
 3.骨盤部腫瘍に対する基本的放射線治療
 4.急性反応
 5.晩期反応
 コラム 意外に知られていない放射線治療室

第7章 子宮
Q&A
解説 子宮頸がん(根治的放射線治療)
 1.外部照射(全骨盤照射)
 2.腔内照射
 3.腔内照射に必要な物品
 4.腔内照射の手技・手順
 5.腔内照射時の看護の注意点
 6.外部照射の急性反応
 7.腔内照射の副作用
 8.晩期反応
 9.IGBT(image guided brachytherapy)画像誘導小線源治療
 コラム 患者さんと仲良くなると、治療が終わったときに逆に不安にさせるのでは

第8章 緩和とオンコロジーエマージェンシー
Q&A
解説 4Bの病態
 1.緩和の基本的考え方
 2.骨転移:bone metastasis
 3.出血:bleeding
 4.閉塞:blockade
 5.除痛・除圧
 コラム がん患者さんが体験する全人的な痛み

現場で使える巻末資料
索引
 高齢化に伴いがん患者が増えている。欧米ではがん患者の1/2が、日本では1/4が放射線治療を受けており、患者増が見込まれている。現実には、数少ない放射線腫瘍医でこれをカバーしており、実臨床の場では放射線技師や看護師の果たす役割は大きい。その一方で、放射線治療に馴染みの薄い看護師も多く、難解とも思われがちな放射線治療について看護の視点からの「入門」書の必要性を感じていた。本書では、受け持ち患者さんの項目に目を通してもらえれば、放射線治療の雰囲気がつかめるようにしてある。
 
 本書は雑誌「臨床放射線」に掲載されたシリーズ連載「がん放射線治療看護」に加筆・修正を行い、書籍化した。数多ある類書に詳細な解説がなされているので、本書は簡略化・箇条書きを特長とし、「すぐに役立つ」ように現場のハウツーに主眼をおいている。「看護」という立場から、照射される疾患別ではなく、患者身体の部位別に取り扱っている。放射線治療では、所定の照射を決められた期間内に完遂することが重要であるため、主として急性期有害事象に言及した。部位別の項目では、前半をQ&Aとし、後半を解説とした。Q&Aは看護現場の疑問をJASTRO看護セミナーでの質問などから汲み挙げ、CNSの方々に執筆していただいた。後半は臨床現場の専門医により、Q&Aに関連付けて解説している。

 放射線治療というと、照射技術やCT画面上での空間的線量分布が強調されがちである。しかし、放射線治療の看護は生身の患者における放射線腫瘍学の実践の場であり、究極の線量分布は患者の体の中にあるのであって、患者に一番近い看護師の役割は極めて大きい事を強調しておく。

聖マリア病院 先進メディカルセンター長
放射線治療科 主幹
平田 秀紀