SCOM 033 EBMからみた突発性難聴の臨床

立木 孝
定 価 4,180円
(3,800円+税)
発行日 2005/05/25
ISBN 978-4-307-50533-8

A5判・144頁

在庫状況 なし


突発性難聴という疾患は、原因と思われる要因が全くないままに、ある時突然、高度の一側性難聴が起こるという疾患です。幸いその3分の1は治ります。しかし同じく3分の1は多少は回復するものの治癒には至らず、残りの3分の1は全く回復しません。しかも回復する人としない人とで何がどう違うのか,わからないのです。この本は、厚生労働省の本疾患研究班の診断基準による確実例323例の症状所見のすべてを記録分析した結果を述べたものです。この書によってその実態を理解し、日常の診療に役立てていただければ幸いです。


はじめに
 突発性難聴はどんな病気か
 「突発性難聴」確実例の選択

沿革
 発端
 日本における研究の発展
 厚生省特定疾患研究班の業跡
 疾患概念と診断基準(診断の手引き)の策定
 聴力回復(治療成績)判断基準の策定
 疾患名の問題

統計
 頻度
 年次変化
 季節集積性
 年齢別発生数
 性別発生率
 罹患側と両側罹患

症状
 主症状と副症状
 難聴の起こり方
 副症状

オージオグラム
 突発性難聴オージオグラムの特徴
 オージオグラム聴力型
 聴力障害度−難聴の強さ
 対側の聴力
 オージオグラムとめまい
 オージオグラムと耳閉塞感
 補充現象と自記オージオグラム

診断
 問診
 視診、耳鏡検査、画像診断
 純音聴力検査
 その他の聴覚検査
 平衡機能検査
 鑑別診断

治療
 治療法
 治療の効果

転帰
 治療の成績
 治療の効果に関わる諸要件
 治療効果と諸要因との関係

経過
 長期経過
 自然治癒
 初診後の進行
 再発と再熱

おわりに
 突発性難聴の内耳病変
 突発性難聴の転帰とオージオグラム
 血管条性難聴のオージオグラム
 治る突発性難聴と治らない突発性難聴