セックス・セラピー入門 性機能不全のカウンセリングから治療まで

性機能不全に対する全人的治療に必要なノウハウを解説!

編 集 日本性科学会
定 価 4,860円
(4,500円+税)
発行日 2018/05/01
ISBN 978-4-307-30136-7

A5判・448頁・図数:47枚

在庫状況 あり

性機能不全(性機能障害)に対する治療やカウンセリングについて、現場の第一線で臨床や実践にあたる専門家が解説。心理的療法を中心に、身体的診断や治療、各ライフステージにおけるセクシュアリティ、パートナーとの関係性や社会性まで考慮し、性の喜びをサポートできるセックス・セラピーを目指す。実用的な問診票フォーマットも収載されている。最新のセックス・セラピーを詳しく知りたい人におすすめの一冊。
第I章 セックス・セラピーを実践するために知っておくべき「セクシュアリティ」
 1.性の健康とセックス・セラピー
 2.性の健康とその権利

第II章 人間の性反応
 1.性反応理解の歴史
 2.女性の性反応
 3.男性の性反応

第III章 DSM-5における新しい性機能不全分類
 1.女性
 2.男性

 コラム DSM-5から姿を消した性嫌悪症
 コラム “ 性嫌悪”はなくなったが

第IV章 セックス・セラピー総論
 1.セックス・セラピストの条件
 2.セックス・セラピーの倫理
 3.セックス・セラピーの基礎
 4.認知行動療法とセックス・セラピー
 5.領域別のセックス・セラピー
  (1) 精神科
  (2) 婦人科
  (3) 泌尿器科
  (4) 看護
  (5) 心理
  (6) メール相談

第V章 性機能不全へのセックス・セラピー
 1.セックス・セラピーの進め方
 2.女性性機能不全
  (1) 心理
  (2) 婦人科
  (3) 女性性機能障害に対する薬物療法
 3.男性性機能不全
  (1) 精神科
  (2) 泌尿器科(性欲、勃起障害)
  (3) 泌尿器科(射精障害)

第VI章 ライフステージとセックス・カウンセリング
 1.乳幼児期・児童期
 2.思春期
  (1) 女性
  (2) 男性
 3.性成熟期
  (1) 不妊(女性)
  (2) 不妊(男性)
  (3) 周産期
  (4) 母乳育児中のセックス・カウンセリング
  (5) 生殖医療
 4.中年期
  (1) 女性
  (2) 男性
 5.老年期
  (1) 女性
  (2) 男性

第VII章 性的少数者へのセックス・セラピー
 1.レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(LGB)
 2.トランスジェンダー

第VIII章 パラフィリアをもつ人へのセックス・セラピー

第IX章 疾患とセックス・セラピー
 1.疾患をもつ人のセクシュアリティ
 2.疾患別のセックス・セラピー
  (1) 性感染症
  (2) 乳がん
  (3) 婦人科手術
  (4) 泌尿器科手術
  (5) 身体障害
  (6) 精神疾患
  (7) 薬物の副作用により生じる女性の性機能障害
  (8) 薬物の副作用により生じる男性の性機能障害

第X章 喜びを高めるためのセックス・セラピー
 1.女性
 2.男性
 日本性科学会は1995年に『セックス・カウンセリング入門』を、2005年に『セックス・カウンセリング入門 改訂第2版』を出版し、セクシュアリティやセックス・カウンセリングに関心のある多くの読者に好評をいただいた。その後、10年以上が経過し、新たに本書、『セックス・セラピー入門』を出版することになった。
 本書にはいくつかの特徴がある。
 まず、第一に最新の性機能不全の概念理解を反映したことである。男性性機能不全は薬物療法の進展に伴い、より客観的具体的指標で評価されるようになった。一方、女性性機能不全は、「男性性機能不全の女性版」ではなく、女性独自の研究が進展し、より主観的指標が導入され、また、欲求、興奮、オルガズムという直線的進行だけでなく、それぞれの段階が影響を与えながら、時に円環的に進行するものへと理解されるようになったのである。そういった理解を本書は平明に説明している。
 また、前書と比較し、「セックス・セラピー」により焦点を絞った。近年我が国でも、セクシュアリティ全般への関心が高まり、LGBT、性暴力等をテーマにした出版も増えている。一方、セックス・セラピーを詳しく論じたものは乏しい。そこで、本書はセックス・セラピーにぐっと焦点を絞って論じた。
 論じるにあたっては、多様な個人それぞれに有用なセックス・セラピーになるように留意した。すなわち、個人個人の、セクシュアリティ、心身の状態、ライフステージなどにより、セックスの目的や位置づけは異なる。もっぱら、生殖目的に腟とペニスを結合させるだけではなく、セックスの様々な意味ややり方にも留意し、個人個人の豊かな人生に寄与できるセラピーであろうとしている。
 執筆においては、実際に現場の第一線で臨床や実践にあたっている先生方にお願いした。インターネットの発達した現在、セックスに関してもネット上で膨大な情報を得ることができる。しかし、膨大であるがゆえに、どの情報にどれほどの信頼性があるのか不明で、逆に信用できる情報を得にくくなっている。本書はそれぞれの分野の専門家が、責任をもって記している。インターネットの時代でも、信用できる情報源として、読者に有用であると確信する。
 本書により、日本のセックス・セラピーが進展し、人々の豊かなセクシュアリティの向上に寄与できれば幸いである。
 
2018年4月
日本性科学会 針間 克己