頭頸部癌取扱い規約 第6版

「TNM分類 第8版」に準拠し、臨床・病理ともに大幅アップデート!

編 集 日本頭頸部癌学会
定 価 3,888円
(3,600円+税)
発行日 2018/01/30
ISBN 978-4-307-20382-1

B5判・160頁・図数:3枚・カラー図数:41枚

在庫状況 なし

UICCによる「TNM分類 第8版」の発表をうけ、臨床・病理ともにその内容を大幅に改訂した。p16陽性中咽頭癌や原発不明癌などが新たに分類され、口唇・口腔癌においてはT因子の判定に「深達度」の概念が追加されている。また、表在癌の発見機会増加と経口的手術の普及に対応し、切除術式の記載を加え、内視鏡による解剖学的写真図譜も新たに収載した。巻末付録では、頭頸部悪性腫瘍全国登録の記載も改訂され、2011-2015年の登録データが掲載された。
I.目的と対象
 1.目的
 2.対象

II.解剖学的事項
 1.原発病巣
 2.領域リンパ節
  1)頸部リンパ節
  2)その他のリンパ節

III.治療成績の表示
 1.用語
  1)一次例または未治療例
  2)二次例または既治療例
  3)確定症例
  4)他病死
  5)原病死
  6)追跡不能
  7)死因不明例
 2.対象症例
  1)広い意味の対象症例
  2)狭い意味の対象症例
 3.追跡
  1)追跡基点
  2)追跡日
 4.生存率の算出
  1)生存率の計算前の留意事項
  2)統計学的有意性の検定について
  3)従来使用されてきた生存率の計算方法
  4)直接法による生存率
  5)生命表法による累積生存率
  6)Coxの重回帰型生命表法(Coxの比例ハザードモデル)
  7)各種の有意性の検定方法の比較および検定方法の選択について

IV.治療
 1.外科療法
 2.放射線治療
 3.薬物療法
  1)投与開始前:治療計画の記載
  2)治療開始からの記載
 4.その他の治療法

V.臨床病期分類およびその付属事項
 1.分類規約
 2.原発腫瘍(T)
 3.領域リンパ節転移(N)
 4.遠隔転移(M)
 5.病期分類(Stage)
 6.病理組織学的分化度(G)
 7.R分類
 8.C因子

VI.部位別臨床病期分類およびその付属事項
 1.口唇および口腔
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.口腔癌手術法の定義
 2.鼻腔および副鼻腔
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.上顎洞癌手術法の定義
 3.上咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.上咽頭癌の手術
 4.中咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.中咽頭癌の手術
 5.下咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.下咽頭癌手術法の定義
 6.喉頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.喉頭癌手術法
 7.大唾液腺
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.大唾液腺癌の手術
 8.甲状腺
 9.上気道消化管の悪性黒色腫
  1)TNM分類
 10.原発不明-頸部リンパ節
  1)TNM分類
 11.UICC臨床病期分類要約
   口唇および口腔
   鼻腔および副鼻腔
   上咽頭
   中咽頭-p16陰性または不明
   中咽頭-p16陽性
下咽頭
   喉頭
   大唾液腺
   甲状腺
   上気道消化管の悪性黒色腫
原発不明-頸部リンパ節

VII.病理
 1.標本の取扱いと所見の採取
  1)摘出標本の取扱いと肉眼所見の採取
  2)組織標本についての共通の評価項目
  3)肉眼型
2.pTNM因子
  1)口唇および口腔
  2)咽頭
  3)喉頭
  4)鼻腔および副鼻腔
  5)大唾液腺
  6)甲状腺
  7)原発不明-頸部リンパ節
  8)上気道消化管の悪性黒色腫
3.組織分類
 1)異形成の分類法
  2)組織分類
4.HPV陽性、陰性の判定
5.表在癌におけるtumour thickness
6.組織学的所見の記載
7.切除断端の記載法
8.リンパ節転移巣の評価
9.術中迅速病理診断
10.表在癌の取扱いと病理所見の記載
11.組織学的治療効果判定
12.病理組織分類図譜―扁平上皮癌―
付.ICD-Oコード表
付.唾液腺腫瘍の組織型分類

 付1.内視鏡所見による頭頸部領域の部位・亜部位
 付2.治療後機能の判定基準
 付3.頭頸部悪性腫瘍全国登録 登録要領
 付4.頭頸部悪性腫瘍全国登録
第6版 序

 『頭頸部癌取扱い規約』は1982年12月の初版以来、UICC(Unio Internationalis Contra Cancrum)のTNM国際分類を用いてきた。今回の改訂はUICC 第8版が発表されたことによる。従来、腫瘍の解剖学的な広がりを基に分類がなされていたが、近年の頭頸部癌に関する研究で解明されたことを反映し、予後予測に重点を置いた分類に変更がなされたことが特徴であり、AJCC(American Joint Committee on Cancer)の影響を強く受けたものといえる。主な変更は、咽頭癌においてHPV関連の有無で分類した点、N分類において節外浸潤の有無を追加している点、口腔癌のT分類において深さの概念DOI(Depth of invasion)を加えている点である。また、原発不明癌が新たに追加され、EBV陽性は上咽頭癌の分類を適応することとなった。別項ではあるが、「Skin Tumours」および「Tumours of Bone and Soft Tissues」においても、UICC 第8版では頭頸部が独立して分類された。別項で新たに分類された頭頸部の皮膚癌および骨・軟部組織腫瘍については、適宜原本を参照されたい。

 第6版ではUICC 第8版に準じて改訂を行い、治療および病理の項について内容を更新した。表在性腫瘍病変の発見機会の増加と経口的手術の普及に伴い、経口的切除の術式および内視鏡による部位・亜部位分類についての図譜を追加した。肉眼型の記載については『食道癌取扱い規約』との整合性を保つよう配慮している。甲状腺癌についてはUICC分類を記載するのみとし『甲状腺癌取扱い規約』に準ずることとした。また、表在癌の取扱いについては適宜、学会HPの「頭頸部表在癌取扱い指針」を参照されたい。

 頭頸部悪性腫瘍登録は2012年より再開されたが、事業の能率性と利便性を図るため、従来のウェブ登録に加え、データマネージメント業務を行うデータセンターが新たに設置された。登録システムの整備および本改訂に伴い、登録要領、全国登録集計データも更新している。

 2018年診断症例より院内がん登録はUICC 第8版を使用することになっており、十分な時間のない中での作業であったが、各委員の協力により迅速にまとめることができた。作成にご協力いただいた取扱い規約委員会、病理委員会、表在癌委員会の各委員の先生方に心より感謝の意を表する。

2018年1月
日本頭頸部癌学会      
規約委員長 林 隆一