EBMの手法による 肺癌診療ガイドライン 2016年版 第4版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む

免疫チェックポイント阻害剤をはじめ、治療選択肢に大きな影響を与える各種新薬承認を反映。2016年版では悪性胸膜中皮腫および胸腺腫瘍診療ガイドラインが含まれた。

編 集 日本肺癌学会
定 価 4,104円
(3,800円+税)
発行日 2016/12/20
ISBN 978-4-307-20365-4

B5判・352頁・図数:24枚

在庫状況 あり

今改訂では免疫チェックポイント阻害剤をはじめ、治療選択肢に大きな影響を与える各種新薬承認を反映している。2016年版では、悪性胸膜中皮腫および胸腺腫瘍診療ガイドラインが含まれた。いずれもEBMの手法に基づいた効果的・効率的な診断・治療法を体系化し、肺癌と闘う全ての人に対する適切な道しるべとなる一冊である。
第1部 肺癌診療ガイドライン2016年版

■全体樹形図
■肺癌の分類

I.肺癌の診断
 1.危険因子と臨床症状、検出方法
 2.確定診断
 3.病理・細胞診断
 4.質的画像診断
 5.病期診断
 6.分子診断
 
II.非小細胞肺癌
 1.外科治療
 2.周術期治療(化学療法・放射線治療)
 3.切除不能I-II期非小細胞肺癌
 4.切除不能?期非小細胞肺癌・肺尖部胸壁浸潤癌
 5.IV期非小細胞肺癌の1次治療
 6.IV期非小細胞肺癌の2次治療以降
 
III.小細胞肺癌
 1.限局型小細胞肺癌
 2.進展型小細胞肺癌の1次治療
 3.予防的全脳照射(PCI)
 4.再発小細胞肺癌
 
IV.転移など各病態に対する治療
 1.骨転移・脳転移・胸部照射
 2.癌性胸膜炎・癌性心膜炎・副腎転移


第2部 悪性胸膜中皮腫診療ガイドライン2016年版

■悪性胸膜中皮腫の分類

I.診断
 1.中皮腫の診断
 2.確定診断
 3.病理診断
 4.質的画像診断
 5.病期診断
 6.補助診断マーカー
 
II.治療
 1.外科治療
 2.集学的治療
 3.切除不能悪性胸膜中皮腫の化学療法
 4.緩和医療


第3部 胸腺腫瘍診療ガイドライン2016年版

■胸腺上皮性腫瘍の病期分類
■樹形図

I.診断
 1.臨床症状と血液検査
 2.存在診断と画像的鑑別診断
 3.確定診断
 4.病期診断

II.治療
 1.外科治療
 2.放射線治療
 3.化学療法
 4.治療後の経過観察
 5.再発腫瘍の治療
 
III.病理診断
 1.病理診断
 
索引
 わが国の肺癌診療ガイドラインは、厚生科学研究費の助成による「EBMの手法による肺癌の診療ガイドライン策定に関する研究」班によって、2003年に初めて出版されました。翌年著作権が日本肺癌学会に委譲され、2005年に改訂第2版を発行しました。その後、刻々と公表される重要なエビデンスへの対応を迅速に行う必要が生じてきたため、2011年以降は毎年Web上で公開してまいりました。2014年にはガイドラインの整備が一段落したため冊子体が発刊されましたが、21世紀にはいってからの肺癌診療、とくに薬物治療の進歩は怒濤のごとくであり多くの有望な新薬の承認があいついでおり、ガイドラインの頻回の改訂を余儀なくされております。しかし、2年に一度は冊子体として公表していくことは重要なことであると考えております。
 この激動の時代にあって冊子体をあえて出版するにあたって、この2016年版においては従来の方針である既定の期間に発表されたエビデンス重視の立場を幾分柔軟化し、既定期間以後であっても重要なエビデンスは積極的に取り入れ、エキスパートが行う治療と本ガイドラインの内容に齟齬がないように致しました。その結果、現時点では保険承認がされていない治療に高い推奨度を与えた事例もあります。例えば、PD-L1高発現腫瘍に対するペムブロリズマブの一次治療、ROS1転座肺癌に対するクリゾチニブ等がそれにあたります。また、本ガイドラインでは初めて第2部として悪性胸膜中皮腫診療ガイドライン、第3部として胸腺腫瘍診療ガイドラインを加えたことも特筆すべきことです。
 わが国で厚生労働省委託事業として日本医療機能評価機構が提供している医療情報サービスMinds(マインズ)では、診療ガイドライン作成マニュアルを発行しており、わが国でのガイドラインの規準となっています。これに照らすと本肺癌診療ガイドラインはクリニカルクエスチョンの設定がない、推奨度分類、外部評価等々の点でその規準には沿っていない点も多く、次回改訂以降の課題となっています。
 ともあれ、新薬開発、臨床試験が非常にactiveであり日進月歩の肺癌の世界で短期間に最新の情報を盛り込んで作成された本ガイドラインはわが国の肺癌患者さんのため、あるいは教育研究ツールとして最上級のものとなっていることは間違いないと思います。日々の診療にご活用くださることを心より願ってやみません。
 末筆となりましたが、本ガイドラインの作成に忙しい業務のかたわらご尽力頂いた各小委員会の委員長初め多くの委員、ご評価頂いた多くの会員の皆様に深甚なる感謝の意を表明し、序文としたいと思います。

2016年11月

特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 光冨 徹哉

ガイドライン検討委員会    
委員長 山本 信之