WHOガイドライン 病態に起因した小児の持続性の痛みの薬による治療

WHOガイドライン翻訳版!新たに二段階除痛ラダーを提言!!

監 訳 武田 文和
定 価 3,850円
(3,500円+税)
発行日 2013/08/09
ISBN 978-4-307-17066-6

B5判・176頁・図数:11枚

在庫状況 あり

「WHO guidelines on the pharmacological treatment of persisting pain in children with medical illnesses」(世界保健機関発行、2012年12月)の翻訳版。従来の三段階除痛ラダーを廃止し、二段階除痛ラダーの小児適用を勧告するなど、小児における持続性の痛みに対するオピオイド鎮痛薬・医療用麻薬の新たな取り扱い方を示す。医師・看護師、薬剤師、政策立案担当者それぞれを対象にガイドラインの重要項目を抜粋した副冊子付き。
監訳者序
謝 辞
 協力支援組織
略語の解説
用語の解説
実践的なまとめ
 臨床への勧告および政策上の勧告
 研究指針
 本ガイドラインの読者へのガイド

いとぐち

■第1章 小児における痛みの分類
1.1 痛みの分類:いとぐち
1.2 痛みの分類
  1.2.1 病態生理学的分類
  1.2.2 痛みの持続期間に基づく分類
  1.2.3 病因論に基づく分類
  1.2.4 解剖学的分類
1.3 特定の疾患に関連した痛みの原因と分類
  1.3.1 HIV 感染小児およびエイズ発症小児に生じる痛みの原因と分類
  1.3.2 がん(悪性腫瘍)の小児に生じる痛みの原因と分類
  1.3.3 鎌状赤血球症の小児に生じる痛みの原因と分類

■第2章 小児における持続性の痛みの診断・評価
2.1 臨床的診断法:痛みの経過の聴取と理学的診察
2.2 小児による痛みの表現と痛みの診断・適切な評価方法
2.3 痛みの記録、文書化:痛み測定手段の活用
2.4 臨床実践において使用する痛み測定手段基準の確立と選択法
2.5 持続性の痛みのある小児の他のパラメ−タ−を用いての評価
2.6 小児の持続性の痛みの診断・評価への挑戦の克服

■第3章 薬による痛み治療の基本戦略
     −患者の立場に立った医療担当者用の治療ガイドライン
3.1 薬による痛み治療の基本原則
3.2 二段階除痛ラダーを用いた治療戦略
  3.2.1 第一段階:軽度の痛みの治療
  3.2.2 第二段階:中等度から高度の痛みの治療
  3.2.3 二段階除痛ラダ−方式の考察
3.3 時刻を決めて規則正しく鎮痛薬を反復投与する
3.4 至適な経路による鎮痛薬の投与
3.5 それぞれの小児に適した投与量に調整しての痛み治療(テ−ラ−メイドの治療)
  3.5.1 非オピオイド鎮痛薬
  3.5.2 オピオイド鎮痛薬
3.6 痛みの治療に不可欠な強オピオイド鎮痛薬
3.7 強オピオイド鎮痛薬の選択方針
3.8 経口モルヒネの速放製剤と徐放製剤
3.9 オピオイド・スイッチング(オピオイド鎮痛薬の切り替え)
3.10 投与経路
3.11 突出痛の治療
3.12 耐性、薬の中止、依存
3.13 オピオイド鎮痛薬の過量投与
3.14 鎮痛補助薬
  3.14.1 コルチコステロイド
  3.14.2 骨の痛み
  3.14.3 神経障害性の痛み
  3.14.4 筋攣縮・筋痙縮に伴って起こる痛み
3.15 研究指針

■第4章 保健医療機関網における痛み治療へのアクセス改善を目指して
4.1 健康の権利、除去可能な痛みから解放される権利
4.2 オピオイド鎮痛薬に関する国際的な規制
4.3 国による痛みからの解放に向けた政策の広がり
4.4 国の制度としての痛みからの解放への財政支出
4.5 痛みからの解放のために必要なこと
4.6 痛み治療による資源の救済
4.7 痛み治療の守備範囲
4.8 痛み治療の人的資源
4.9 利用可能とすべき痛み治療法

■アネックス(付属文書)1 薬理学的プロフィ−ル
A1.1 フェンタニル
A1.2 ヒドロモルホン(本邦未導入)
A1.3 イブプロフェン
A1.4 メサドン
A1.5 モルヒネ
A1.6 ナロキソン
A1.7 オキシコドン
A1.8 アセトアミノフェン

■アネックス(付属文書)2 臨床への勧告の背景
A2.1 本ガイドライン開発の経過
A2.2 薬による痛みの治療(薬理学的介入)
  A2.2.1 二段階除痛ラダ−か? 三段階除痛ラダ−か?
  A2.2.2 アセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  A2.2.3 痛み治療の基本薬である強オピオイド鎮痛薬
  A2.2.4 強オピオイド鎮痛薬の選択方針
  A2.2.5 モルヒネ徐放製剤か? モルヒネ速放製剤か?
  A2.2.6 オピオイド・ロ−テ−ションとオピオイド・スイッチング
  A2.2.7 投与経路
  A2.2.8 突出痛
  A2.2.9 鎮痛補助薬:コルチコステロイド
  A2.2.10 骨の痛みに対する鎮痛補助薬:ビスホスホネ−ト
  A2.2.11 神経障害性の痛みに対する鎮痛補助薬:抗うつ薬
  A2.2.12 神経障害性の痛みに対する鎮痛補助薬:抗けいれん薬
  A2.2.13 神経障害性の痛みに対する鎮痛補助薬:ケタミン
  A2.2.14 神経障害性の痛みに対する鎮痛補助薬:局所麻酔薬
  A2.2.15 筋攣縮・筋痙縮に伴って起こる痛みに対する鎮痛補助薬:ベンゾジアゼピン系薬とバクロフェン
A2.3 薬以外の治療法(非薬理学的介入法)

■アネックス(付属文書)3 保健医療機関網への勧告の背景

■アネックス(付属文書)4 エビデンスの検索と評価
A4.1 GRADE システムのプロフィ−ル
A4.2 保健医療機関網に対する勧告について検索した試験研究
A4.3 エビデンス検索過程の第三段階(GRADE システム)で検索された研究

■アネックス(付属文書)5 研究指針

■アネックス(付属文書)6 オピオイド鎮痛薬と国際条約
A6.1 国連の薬に関する諸条約とその執行組織
A6.2 「麻薬に関する単一条約」とオピオイド鎮痛薬
A6.3 薬の不正使用と患者による需要
A6.4 薬の規制に関する国際条約と国の規制担当当局
A6.5 条約が要求している国によるオピオイド鎮痛薬の需要量の見積もり制度
A6.6 国による需要量見積もりの重要性
A6.7 オピオイド鎮痛薬(麻薬)の国内での製造
A6.8 オピオイド鎮痛薬(麻薬)の輸出入システム
A6.9 輸出入許可証および確認書の必要事項
A6.10 輸出、輸入後に続く報告およびオピオイド鎮痛薬(麻薬)の消費量の報告システム
A6.11 オピオイド鎮痛薬(麻薬)の流通
A6.12 オピオイド鎮痛薬(麻薬)の処方と調剤についての一般的必要事項

■アネックス(付属文書)7 本ガイドラインの作成・編集に関与した人々のリスト
A7.1 本ガイドライン作成グル−プ
A7.2 その他の貢献者
A7.3 利益相反に関する事項

基本原則と勧告のまとめ

文 献

索 引

付録 1:小児における鎮痛薬の投与開始量一覧カ−ド
付録 2:待合室の壁貼付用ポスタ−