骨を鍛えるために

清野 佳紀
定 価 2,484円
(2,300円+税)
発行日 1998/05/10
ISBN 978-4-307-17042-0

A5判・72頁

在庫状況 あり

“推薦のことば”より
 社会の老齢人口の増加と少子化、日本の疾病構造が変化してきている事と、従来の医療構造と政策の不適合が現在の日本の大きな社会問題になっている。骨粗しょう症はそのような背景問題の一つである。閉経後の急速な骨量の減少は特に長寿のしかも男性に比べてピーク時でも骨量の少ない日本女性にとっては、特に70〜80歳になって骨折の可能性が増加する大きな問題である。そのための研究、対策が講じられているが、実際のところはいかに20〜30歳代のピーク時の骨量を増やすかも大事なことである。それには成長期にいかに骨量を増やすかであり、子供時代の生活習慣が決め手になる。だからこそ「骨粗しょう症は小児科の問題だ」という著者の主張が正しいのである。
 著者とは2002年の宇宙への日本のスペースラボ打ち上げと、これを使った研究プロジェクトに共同で関わっている。スペースではなぜ骨量が減るのかは宇宙飛行士にとって現実的な大問題であり、研究テーマとしても大変興味を引かれる。閉経後の急速の骨量の減少のメカニズムにも新しい視点を与えてくれそうである。
 著者は世界での骨代謝研究の第一人者の一人であり、日本を代表する小児科医であり、研究者である。臨床が好き、研究が好き、患者さんが好きで(患者さんのお母さんも好き)、何でも好きの素晴らしい小児科のお医者さんであり、学者であり、国際社会でのリーダーである。お忙しい時間を割いて、このような「骨の判る啓蒙書」を書いて下さったことに感謝するとともに、多くの人に読んでもらいたい好書である。
東海大学医学部長 東京大学名誉教授  黒川 潔
■未熟児と骨
母から子へ移動するカルシウム
母乳とカルシウム
未熟児は骨密度も低い
骨の発育を配慮した栄養管理を
■骨の科学
骨の2つの役割
生物の進化と骨の発達
無重力下で弱くなる骨
骨の構造と代謝
■骨粗鬆症
骨粗鬆症と骨折
予防するには―小児期に骨を増やしておく
■骨をいかに鍛えるか―遺伝・栄養・運動が3大因子
骨とホルモン
増加する小児の骨折
遺伝の影響
栄養―カルシウムの摂取
どのくらい骨が増えるのか
運動について―正しい方法
大切なのは歩くこと
運動でどのくらい骨が増えるか
日常の動作も影響する
骨の鍛え方―まとめ
■小児期の生活と老年期の骨折
アンケート調査にみる老人の骨折