患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド 増補版

がんの痛みを我慢しない・させない。患者版がん疼痛ガイドの最新版!

編 集 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会
定 価 1,512円
(1,400円+税)
発行日 2017/06/20
ISBN 978-4-307-10186-8

B5判・128頁・カラー図数:18枚

在庫状況 あり

現在の緩和ケアでは、がんの痛みのほとんどはやわらげることができますが、いまだ患者さんや家族が「痛み」に対して漠然とした不安をいだいていることも事実です。本書は、すべての患者さんが安心してがんの痛みのケアを受けられることを目指し、がんの痛みやその治療についてQ&A形式でわかりやすく解説したガイドの増補版です。近年新たに発売された痛みどめ(医療用麻薬)や副作用に対する治療薬の最新情報をアップデートしています。
クエスチョン一覧

「患者さんと家族のための がんの痛み治療ガイド」をお使いいただくにあたって

第1章 痛みの治療を受けるために知っておきたいこと
1.がんの痛みとは
2.がんの痛みの多くは治療できる
3.がんの痛みのメカニズム
4.痛み治療や痛みどめに対するよくある誤解・迷信

第2章 あなたの痛みを伝えてください
1.痛みは本人にしかわからない
2.痛みを説明するために知っておいてほしいこと
3.痛み治療に役立つメモや日記
4.痛みの伝え方のコツ

第3章 がんの痛みに対する治療のしくみ
1.がんの痛みに対する世界共通の治療のしくみ「WHO方式がん疼痛治療法」
2.痛みどめの種類や量の決め方
3.とん服薬の使い方
4.がんの痛み治療の目標
5.がん治療とがんの痛み治療の関係

第4章 がんの痛みの治療に使われる痛みどめについて
1.解熱鎮痛薬――弱い痛みに使う薬
2.コデイン、トラマドール――弱い痛みから中くらいの痛みに使う薬
3.モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、メサドン――中くらいの痛みから強い痛みに使う薬
4.痛みどめのさまざまな製剤(のみ薬、貼付剤、口腔粘膜吸収製剤、坐薬、注射薬)の特徴と使い方
5.鎮痛補助薬について
6.痛みどめの副作用――その予防と対処

第5章 痛み治療がうまくいっていないと感じたとき
1.自分の痛みがうまく伝えられないとき
2.痛みどめの副作用に不安があるとき
3.痛みどめの使用法に不安があるとき
4.緩和ケアチーム・ペインクリニックとは
5.痛みどめへの抵抗感があるとき
6.痛みや痛みどめについての相談窓口

第6章 薬以外による痛みの緩和方法
1.薬以外によって痛みをやわらげるさまざまな方法
2.放射線治療とは
3.神経ブロック療法とは
4.自分でできる痛みへの対処法

■資料
資料1:参考リスト
資料2:作成者リストと利益相反

■がんやがんの痛みについて相談したいとき(相談窓口一覧)

■コラム
・「早期からの緩和ケア」は患者さんの生活のしやすさを改善し、生存期間を延長する可能性があります。
・「ビリビリ、チクチクした」痛みや「しびれたような」痛みって?
・なぜ医療用麻薬は中毒にならないの?
・言葉による痛みの表現方法
・とん服薬がよく効き、活動範囲が広がったY子さん
・医療用麻薬の海外への持ち出し手続きについて
・PCA(患者自己調節鎮痛法)ポンプについて
・痛みどめの使い方がわからないときは、薬局でたずねることもできます
・悩みを打ち明けてこころも痛みも軽くなったAさん
・神経ブロック療法でQOLが向上したN子さん
発刊にあたって

 日本緩和医療学会は、わが国に緩和ケアを普及・確立することを目的に1996年に設立されました。今や会員数が1万2000人を超え、緩和ケアを実践、普及、啓発、研究する最も大きな組織として、日夜、努力を続けているところです。
 かつて、緩和ケアは終末期医療と考えられていたため、多くの患者さんが、がん治療の途上では、痛みをはじめとした多くのつらさをじっと我慢し続けていたという悲しい歴史がありました。
 しかし、現在では緩和ケアとは、「“がん”その他の特定の疾病に罹患したものに係る身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安を緩和することにより、その療養生活の質の向上を図ることを主たる目的とする治療、看護その他の行為をいう」と改正がん対策基本法(平成28年12月)で定義され、「緩和ケアが、診断のときから、適切に提供されるようにすること」とされています。“苦痛”や“不安”は様々ありますが、がん患者さんやそのご家族にとって、やはりもっとも怖くてつらいのが“がんの痛み”です。しかし、御心配はいりません。がんの痛みのほとんどは十分にやわらげられるものです。日本緩和医療学会では、医療者向けに、『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン』2010年版、2014年版を発行し、“がんの痛み”への対応を行っています。しかしまず患者さんが“痛み”を医師や看護師、薬剤師に訴えてもらわなければ、その痛みを取ることはできません。痛みの治療は患者さんご自身の訴えからはじまるのです。このため、患者さんとそのご家族に“がんの痛み”をできるだけわかりやすく理解してもらい、痛みをやわらげるケアをいつでも受けていただけることを目的に、2014年、Q&A形式で、“がんの痛み”についてわかりやすく書かれた『患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド』を発行いたしました。
 以来3年が過ぎ、新規の痛みどめや副作用に対する治療薬が数多く発売されたため、基本的には大きな変更はありませんが、Q18、19、25、26、27、31に追記・変更・修正を加え、『患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド 増補版』として、ここに発行されました。このガイド増補版が、“がんの痛み”のケアを患者さんが安心して受けていただけることに貢献することを祈念して、序とさせていただきます。

2017年5月
特定非営利活動法人 日本緩和医療学会
理事長 細川 豊史