MR・超音波・眼底 基礎知識図解ノート 第2版

豊富な図解とオリジナル画像で、必要な知識が最短で身につく!パワーアップな改訂が出来ました!

監 修 新津 守
編 集 磯辺 智範
定 価 7,344円
(6,800円+税)
発行日 2018/03/30
ISBN 978-4-307-07107-9

B5判・566頁・図数:700枚・カラー図数:300枚

在庫状況 あり

本書はおもに診療放射線技師養成校ならびに臨床検査技師養成校の学生、現場経験の少ない新人技師を対象としています。本書のコンセプトは「難解な記述をできる限り排除し、図・表・画像をメインとして解説を付す」「臨床実習に臨む前の学生が、最低限必要な知識を網羅する」であり、初版で一部不足していた内容に追記するとともに、検査機器や手法の進歩に伴い加筆・修正しました。読者意見も取り入れ200頁超を増補しました。
【MR】

1章 MR画像の成り立ち
1. 原子内に存在する荷電粒子の運動
2. 電流と磁場
3. MRの対象原子核
4. MRIの成り立ち
5. 画像の信号強度を決める因子

2章 装置
1. システム構成
2. 静磁場コイル
3. 高周波磁場コイル
4. 傾斜磁場コイル
5. 高磁場(3.0T)装置
6. MR室の設計
7. 性能評価
8. ImageJの利用
9. 保守、点検、管理

3章 MR現象から画像化まで
1. 被検者を静磁場の中に入れる
2. RF パルスが与えられる
3. RF パルスを切る
4. MR信号を検出する・画像化する

4章 画像構築
1. k-space(k空間)とは
2. k-space trajectory
3. k-space trajectoryと撮像パルスシーケンス
4. k-space と撮像時間の短縮

5章 撮像条件(パラメータ設定)
1. 画質
2. 各種パラメータ
3. scan time(撮像時間)
4. SNR(signal to noise ratio:信号対雑音比)

6章 代表的なパルスシーケンス
1. パルスシーケンスとは
2. スピンエコー(SE)
3. 高速スピンエコー
4. グラジエント(リコールド)エコー(gradient recalled echo:GRE)
5. EPI(echo planar imaging)法
6. パラレルイメージング
7. その他

7章 Preparation pulse
1. Preparation pulse(先行パルス・前置パルス)
2. IR pulse
3. Presaturation pulse(前飽和パルス)
4. DE pulse
5. MT pulse
6. 脂肪抑制法のまとめ

8章 造影剤について
1. 造影剤の歴史
2. 造影メカニズム
3. 造影剤の種類
4. 細胞外液性Gd造影剤(マグネスコープ・ロハンス・ガドビスト・プオムニスキャン)5.肝特異性造影剤(SPIO;リゾビスト注)
6. 肝特異性造影剤(EOB・プリモビスト)
7. 経口消化管造影剤(ボースデル内用液10)

9章 MRA
1. MRAとは
2. MRAの種類と特徴
3. TOF(time of flight)効果
4. Time of flight MRA(TOF MRA)
5. 飽和効果と対策
6. 使用される技術
7. Phase contrast MRA(PC-MRA)
8. Black blood MRA
9. 造影MRA
10. 造影MRAにおけるk-space のデータ充填と撮像方法

10章 アーチファクト
1. アーチファクトの分類
2. 折り返しアーチファクト
3. 化学シフトアーチファクト
4. 第2の化学シフトアーチファクト
5. 磁化率アーチファクト
6. 打ち切りアーチファクト
7. クロストークアーチファクト
8. モーションアーチファクト
9. その他の代表的なアーチファクト

11章 安全性
1. 概要
2. 静磁場の影響
3. 傾斜磁場の影響
4. RFパルスの影響
5. 禁忌・警告などの対象
6. 問診と検査前安全確認の重要性
7. MR検査の操作モードおよび制限値
8. クエンチ現象

12章 そのほか知っておきたい知識
1. MR hydrography
2. 拡散・灌流
3. functional MRI(f-MRI)
4. SWI(susceptibility weighted imaging)
5. MRS(magnetic resonance spectroscopy)
6. MR Elastography
7. T1ρ(T1rho)

13章 各部位におけるMR検査
1. MR検査の準備
2. MR検査の特徴
3. MR検査の対象部位
4. 頭部
5. 脊椎・脊髄
6. 心臓
7. 乳房
8. 腹部
9. 骨盤部
10. 四肢・関節
11. 血管

14章 撮像の実践
はじめに
1. 受信コイル
2. ポジショニング
3. 撮像パラメータ


【超音波】

1章 超音波の基礎
1. 縦波と横波
2. 超音波とは
3. 超音波の発生
4. 超音波の伝搬速度(別称:音速)
5. 超音波の物理特性
6. 空間分解能

2章 超音波診断装置の基礎
1. システム構成
2. プローブ

3章 超音波の検出・画像表示
1. パルス反射法
2. 画像表示法
3. 画像調整

4章 ドプラ法
1. ドプラ法の原理
2. ドプラ法の種類

5章 アーチファクト
1. 音響陰影(acoustic shadow)
2. 後方エコー増強(back echo enhance、tadpole-tail sign)
3. 多重反射
4. サイドローブ
5. グレーティングローブ
6. ミラー効果
7. 屈折によるアーチファクト

6章 そのほか知っておきたい知識
1. ハーモニックイメージング
2. IVUS(血管内超音波診断法)
3. 三次元表示、四次元表示

7章 超音波検査の実際
1. 超音波検査の準備
2. 超音波検査の特徴

8章 腹部領域における検査
1. 肝臓(liver)
2. 胆(gallbladder)、胆管(bile duct)
3. 膵臓(pancreas)
4. 腎臓(kidney)
5. 脾臓(spleen)

9章 体表臓器(乳腺・甲状腺)における検査
1. 乳房
2. 甲状腺

10章 心臓領域における検査
1. 経胸壁心エコー検査のアプローチ部位(エコーウインドウ)
2. 基本断面とチェックポイント
3. 基本的な記録波形(Mモード像およびパルスドプラ像)
4. 症例

11章 血管領域における検査
1. 頸動脈(carotid artery)
2. 下肢静脈
3. 下肢動脈
4. 上肢動脈、上肢静脈

12章 超音波装置の安全性
1. 装置の安全性
2. 安全性の指標
3. 音響強度の測定
4. 超音波装置の保守管理


【眼底写真撮影】

1章 眼底写真撮影検査の基礎
1. 眼底写真撮影検査とは
2. 眼底写真で何がわかるのか
3. 眼底写真撮影に必要な解剖生理学

2章 眼底写真撮影の手法
1. 眼底写真撮影の分類と特徴
2. 眼底撮影の限界
3. 無散瞳眼底写真撮影の検査の流れ

3章 装置
1. 構造
2. アーチファクト

4章 眼底像
1. 正常眼底像
2. 緑内障
3. 糖尿病:単純型糖尿病網膜症
4. 糖尿病:増殖型糖尿病網膜症
5. 高血圧性網膜症
6. 網膜血管病変:網膜静脈分枝閉塞症
7. 網膜血管病変:網膜中心動脈閉塞症
8. 網膜出血:網膜前出血
9. 網膜剥離
10. 網膜色素変性症

5章 同時立体眼底カメラ・手持ち眼底カメラ
1. 同時立体眼底カメラ
2. 手持ち眼底カメラ
第2版編集の序

 初版から6年の歳月が経ち、「MR・超音波・眼底 基礎知識図解ノート」を大幅リニューアルする運びとなった。MR・超音波・眼底は、侵襲性がきわめて低い検査であり、医療現場の中で、使いやすい必要不可欠な診断ツールとして位置づけられている。今回の改訂では、初版において一部不足していた内容に追記するとともに、検査機器や手法の進歩に伴い加筆・修正した。

 さらには、読者からいただいた貴重なご意見を取り入れ、これまで以上に読者目線での書籍を目指して編集作業にあたった。執筆者に関しては、「新たな視点を加える」という観点から、初版を執筆していただいた先生方の了承を得て、初版の原稿をベースとして新たに執筆者を加えて加筆・修正をお願いした。この試みは、これまでには例のない改訂方法である。そのためか、通常の改訂よりも紙面が増え、初版に約200頁を加えることとなった。質的に「新たな視点」が加わっただけでなく、量的にも大幅に増え、読者のみなさまにとって満足していただける改訂になったと考えている。

 本書のコンセプトは大きく2つあり、初版から変わっていない。1つ目は、難解な記述をできる限り排除し、“視覚的理解”をkey word に図・表・画像をメインとし、それらに解説を付すといった表現法の採用である。タイトル通り、基礎知識のミニマムエッセンスを図で理解し、ノート的に直接書き込む方式で利用してもらえる点を最大の特徴としている。これまでの書籍は、図・表・画像は少なく、冗長な文章を羅列したものが多く、読む教科書という印象を受けていた。視覚を利用した情報の取得が、読み手の効率的な理解を助長すると考え、この方式に至っている。

 2つ目は、臨床実習に臨む前の学生が、最低限必要な知識を身につける内容を網羅する点である。MR・超音波・眼底に関する書籍は多数存在し、それらの書籍は大きく「(1):原理・機器など基礎が中心の内容」「(2):検査法と診断あるいは画像といった臨床が中心の内容」「(3):基礎が2割で臨床が8割の内容」の3 つに分類できる。

 3つのうち、臨床実習中であるならば、(2)か(3)の書籍が必要であろう。では、臨床実習前はどうであろうか? (1)の書籍と答える人もいるであろうが、それでは正しい選択肢ではない。医療従事者を目指す者にとって、臨床に応用できる基礎知識の修得だけでなく、どのように臨床に応用するのかという視点が必要だからである。そこで、本書は、「基礎が7〜8割で臨床が2〜3割の内容」という(3)の書籍とは逆のスタイルを目指して作成した。本書は、診療放射線技師養成校ならびに臨床検査技師養成校の学生諸氏を主な対象としている。また、現場経験の少ない新人技師にとっても使いやすく、必要にして十分な情報を盛り込んだ簡潔かつ簡便なテキストになったと自負している。

 最後に、本書の刊行にあたり、編集に協力していただいた筑波大学附属病院 検査部 臨床検査副技師長 上牧 隆先生ならびに杏林大学 保健学部 助教 佐藤 英介先生、そして、監修の労を賜った埼玉医科大学 放射線科 教授 新津 守先生に感謝申し上げる。また、長期間にわたり編集にご尽力いただいた石黒 大介氏をはじめとする金原出版 編集部のスタッフの方々に深甚の謝意を表したい。

2018年3月
筑波大学医学医療系
磯辺 智範
 知識のない実習は苦痛である。私も医学生時代、毎週ごとに異なる診療科(この毎週初めの挨拶も一つの重圧)で、熱意(悪意?)ある質問責めに閉口するとともに、自分の知識の無さを痛感したことを思い出す。そもそも医療現場で必要とされる医学知識を脳内にすべて蓄えることは無理であるが、実習の教員はそこを突いてくる。ましてや、卒業して医療現場でプロとして診療する者には、無尽蔵の知識が必要、と世間は要求し、また白衣の人は皆そのような聖人君子と見なす風潮も強い。

 そこで医療従事者を目指す学生諸君はどうすべきか? 答えはいかに効率良く知識を吸収、理解して自分のものとするかである。私が学生の頃の医学書はみな電話帳のように厚く、中身は文字だらけで、それを読破するのは何かの教典よりも苦行であった。現在はビジュアルに優れ、視覚的に理解しやすい本が容易に手に入る。ただし、ここで要注意! 見やすい図表をただ暗記した「鵜呑み」の知識はすぐに忘れる。その原理を自分なりに筋道たてて理解した「納得型」知識は一生の財産となる。医療分野では解剖名など、どうしても暗記せねばならないことが多く、記憶力の善し悪しが学業成績に反映されることが多い。しかしその後の長い臨床生活では、成績の良かった学生が、業績を上げ皆からも信頼される医療者に必ずしも成長していない場合が多い。毎日の医療業務上、物事の本質を見極めその知識を自分なりに整理し自己のキャリア上に追加構築していくかどうかで、長い人生で大きな差がつくと思われる。ここで個人的成功うんぬんはともかく、生半可な知識で医療が行われたら、とにかく患者さんが大迷惑である。

 本書で扱う画像医学の基礎はその大半が「納得型」知識で習得できる。判らない箇所を集中的に勉強することもできる。実習に追われる医療系学生と、毎日の時間のない医療従事者には、本書が良き相談相手となることが大いに期待される。

「智は力である」

2018年3月
新津 守