核医学融合画像 -基礎と臨床

基礎から臨床までわかる。全臨床分野を網羅した核医学の決定版!

編 集 西村 恒彦
定 価 8,800円
(8,000円+税)
発行日 2017/09/19
ISBN 978-4-307-07106-2

B5判・300頁・図数:55枚・カラー図数:220枚

在庫状況 あり

腫瘍、心臓、脳、その他の全分野の基礎と臨床を網羅した決定版!基礎編では各種融合画像の重ね合わせや一体型装置の原理や方法の実際を、臨床編ではSPECT/PETやCT/MR単独では得られない融合画像の臨床的有用性に関して解説しました。さらにSPECT/CT、PET/CT、PET/MRIなどの融合画像を用い、病変に関する詳細な形態と機能・代謝などを同一断層面でとらえる最新の潮流にも対応しています。
序文
執筆者一覧
1 核医学融合画像の位置づけ
2 核医学融合画像の変遷と展開
3 核医学融合画像の原理と方法
 1 融合画像作成の目的と条件
 2 各画像重ね合わせによる融合画像(ソフトウェアフュージョン)
 3 一体型装置による融合画像
  (1)PET/CT
  (2)PET/MRI
  (3)SPECT/CT
4 腫瘍核医学における臨床(炎症を含む)
 1 PET/CT(FDG)
 2 PET/MRI(FDG)
 3 FDG以外のPET/CT
 4 SPECT/CT
 5 将来展望
 6 症例提示
  (1)FDG-PET/CT―病期診断に有用であった症例(1)造影CTで検出できなかった大腸癌の肝転移をFDG-PET/CTで検出できた症例
  (2)FDG-PET/CT―病期診断に有用であった症例(2)前立腺癌のリンパ節転移、骨転移の検出にFDG-PET/CTが有用であった症例
  (3)FDG-PET/CT ─治療効果判定PERCIST
  (4)FDG-PET/CT―治療効果判定悪性リンパ腫Revised Cheson関連
  (5)FDG-PET/CT―incidental所見などCTの存在が有用な症例
  (6)FDG-PET/CT―そのほかCTの存在が有用な症例
  (7)FDG-PET/CT―炎症の診断に有用であった症例
  (8)FDG-PET/MRI―MRI が有用であった症例(1)髄腔内播種
  (9)FDG-PET/MRI―MRI が有用であった症例(2)乳房
  (10)FDG以外のPET/CT症例(1)―前立腺癌PSA failure症例の再発部位の同定にコリンPET/CTが有用であった症例
  (11)FDG以外のPET/CT症例(2)
  (12)SPECT/CT―融合画像が有用であった症例ソマトスタチン受容体シンチグラフィによる神経内分泌腫瘍の診断
  (13)SPECT/CT―センチネルリンパ節シンチグラフィへの活用症例
  (14)SPECT/CT―ガリウムシンチグラフィの有用症例(炎症)生体腎移植後の不明熱の熱源の同定に有用であった症例

5 心臓核医学における臨床
 1  PET/CT(FDG、NH3)
 2  PET/MRI
 3  SPECT/CT(吸収補正およびカルシウムスコア)
 4  SPECT/CTA
 5  将来展望
 6  症例提示
  (1)13N-ammonia PET/CTA―3枝病変例の心筋血流定量
  (2)FDG-PET/MRI―心サルコイドーシス サルコイドーシスの心病変評価に有用であった症例
  (3)SPECT/CTA―冠動脈責任病変の同定もしくは予後判定
  (4)SPECT/CTA―虚血性心疾患と非虚血性心疾患の鑑別
  (5)SPECT/MRA―心筋虚血かつ冠動脈高度石灰化症例

6 脳核医学における臨床
 1 FDG-PET/CT
 2 FDG以外のPET/CT
 3 PET/MRI
 4 SPECT/CT―脳血流、イオマゼニル、FP-CITにおけるSPECT/CTの活用
 5 将来展望
 6 症例提示
  (1)FDG-PET/CT―血管障害にアルツハイマー型認知症が発症した症例
  (2)FDG以外のPET/CT―脳腫瘍の診断に有用であった症例
  (3)PET/MRI―脳PET/MRIが有用であった症例
  (4)SPECT/CT―イオマゼニルがてんかんの診断に有用であった症例
  (5)SPECT/CT(FP-CIT)―ドパミントランスポータ機能による黒質線条体の変性の有無の評価がその後の治療方針に有用であった症例

7 その他の領域における臨床
 1 腫瘍、心臓、脳以外の領域における融合画像の臨床活用
 2 症例提示
  (1)SPECT/CT―慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)の診断から治療効果判定に有用であった症例
  (2)SPECT/CT―3D肝臓解析システムを用いたGSA SPECT/CT融合像により術前区域肝機能を評価し得た胃癌肝転移の症例
  (3)SPECT/CT―汎用ソフトウェアARTによるSPECT/MRI融合像が有用であった神経内分泌腫瘍(カルチノイド)肝転移の症例
  (4)SPECT/CT―副甲状腺シンチグラフィが有用であった症例
  (5)SPECT/CT―骨シンチグラフィが有用であった症例
  (6)SPECT/CT―出血シンチグラフィの活用
  (7)SPECT/CT―メッケル憩室の診断
索引
 従来の核医学本来の機能・代謝画像に加え、最近ではSPECT/CT、PET/CT、PET/MRIなどの融合画像を用いて、病変に関する詳細な形態と機能・代謝などを同一断層面でとらえることが普遍的になってきている。さらに近い将来、核医学分子イメージングとCT/MRIなどの融合画像が病変の早期検出、治療方針の決定、予後評価などにおける新しい画像医学のメイン・ストリームになることが期待されている。
 上述のような背景を踏まえて、この度、核医学融合画像の現状と将来展望に関する成書を企画した。基礎編では各種融合画像の重ね合わせや一体型装置の原理や方法の実際を、臨床編ではSPECT/PET やCT/MR 単独のみでは得られない融合画像の臨床的有用性に関して、丁寧に解説を加えている。
 とりわけ臨床編では、腫瘍核医学、心臓核医学、脳核医学、その他の4臨床分野に分け、各分野における総論からは融合画像の臨床活用の仕方を、一方、症例提示からは融合画像の必要性を、一目瞭然に理解して日常診療に役立てていただけるように工夫を施している。
 このため、本書の執筆は当該分野の第一線でご活躍されている先生方にお願いし、どなたも編者の意図を十分に汲み取っていただき、素晴らしい出来映えになったものと自負している。
 斬新な本書が、放射線・核医学関連の医師・技師の先生方のみならず、臨床各科の先生方にも極めて有用な必読書となることを熱望している。
最後に、本書の上梓にあたりご尽力いただいた金原出版 滝沢浩利氏、石黒大介氏に感謝いたします。

平成29年9月
西村 恒彦