PET検査・診断 −基礎のキソ

PET検査の歴史、原理、装置、施設、製剤、検査、診断、放射線管理までを全体的に網羅!!PET検査の説明用DVD、パンフレットサービス付き!!

監 修 内田 佳孝 / 小野寺 敦
編 集 磯辺 智範 / 飯森 隆志 / 藤淵 俊王
定 価 8,690円
(7,900円+税)
発行日 2008/10/24
ISBN 978-4-307-07081-2

B5判・240頁・図数:378枚

在庫状況 あり


本書は、学生や若手の診療放射線技師などのPET初学者だけでなく、看護師、薬剤師など多くの医療従事者の方々も最低限備えておかなければいけない「PET検査・診断の基礎」を、専門的でありながらも可能な限り簡潔にわかりやすく記述。378点もの多数のカラー写真や図表を用い、読者にとって読みやすい構成に配慮した。

本書の特色

1. 技術的な入門書として適した内容でうあること
2. 技術的な機器原理だけでなく、画像処理を含めた周辺部分にも重点を置いた内容であること
3. 図表やポイントなどを駆使してなるべく読みやすい内容であること
4. 臨床部分は症例の網羅ではなく、重要な内容に絞ってポイントを記載すること。


1章 PET検査概要
 1. PET検査とは
 2. 陽電子と消滅放射線
 3. PET検査の歴史
 4. PET検査で何がわかるか
 5. PET検査の特徴
 6. PET検査の有効利用

2章 PET装置と原理
 1. 基本原理
  1-1. 測定原理
   1-1-1. 概要
   1-1-2. 放射線検出器
   1-1-3. エネルギー弁別
  1-2. PET装置の基本的物理特性
   1-2-1. 空間分解能
   1-2-2. 感度
   1-2-3. 散乱同時計数
   1-2-4. 偶発同時計数(ランダム同時計数)
   1-2-5. 雑音等価係数(Noise Equivalent Count:NEC)
 2. データ収集とデータ処理
  2-1. 収集モード
   2-1-1. 検出器リングとスライス
   2-1-2. セプタ
   2-1-3. 2D収集(2Dモード)
   2-1-4. 3D収集(3Dモード)
   2-1-5. リストモードとヒストグラムモード
   2-1-6. スキャン
  2-2. 補正処理
   2-2-1. 偶発同時計数補正
   2-2-2. 散乱補正法
   2-2-3. 減弱補正
  2-3. 画像再構成
   2-3-1. 概要
   2-3-2. 解析的画像再構成法
   2-3-3. 逐次近似画像再構成法
 3. 物理特性評価とQC・QA
  3-1. 性能評価法
   3-1-1. 空間分解能
   3-1-2. 散乱フラクション(SF)
   3-1-3. 感度
   3-1-4. 計数率特性
   3-1-5. 一様性、定量性、補正精度、部分容積効果
  3-2. 校正
   3-2-1. ノーマリゼーション
   3-2-2. クロスキャリブレーション
   3-2-3. その他のキャリブレーション
 4. 新しいPET装置
  4-1. PET/CT装置
   4-1-1. 概要
   4-1-2. ガントリ一体型
   4-1-3. ガントリ分離型
  4-2. 新しい技術
   4-2-1. TOF(Time-of-Flight)方式
   4-2-2. DOI(Depth-of-Interaction)方式

3章 PET検査関連装置・施設について
 1. PET施設の概要
  1-1. 装置・施設
   1-1-1. 放射性同位元素の製造から放射性薬剤(FDGなど)の合成までに必要な装置
   1-1-2. FDGなどの放射性薬剤が準備できてから、投与までに必要な装置
   1-1-3. 投与された被検者(患者)を撮影するための装置
  1-2. 構造設備に関する要件
   1-2-1. 使用室の構造設備
   1-2-2. 貯蔵施設の構造設備
   1-2-3. 廃棄施設の構造設備
  1-3. 必要な部屋、設備
   1-3-1. 検査関係
   1-3-2. 薬剤関係
   1-3-3. 管理関係
  資料
 2. 加速器
  2-1. 加速器の目的
  2-2. 加速器の種類と原理、特徴
  2-2-1. サイクロトロン
  2-2-2. 線形加速器
  2-3. 中性子の遮へいと放射化物
  2-4. 核反応断面積と照射時間
  2-5. 加速器のQA・QC
 3. 薬剤合成装置
  3-1. 薬剤合成関連装置の種類
  3-2. 薬剤合成方法
   3-2-1. 合成プロトコール
   3-2-2. 実際の合成手順
  3-3. 薬剤の品質管理
   3-3-1. 品質管理方法について
   3-3-2. 検定基準について
 4. その他の装置
  4-1. 自動注入装置
   4-1-1. 製薬会社より供給される、放射性医薬品であるFDGを投与する場合
   4-1-2. 自施設で放射性薬剤を製造して投与する場合
  4-2. 遮へい衝立など
   4-2-1. 処置室での遮へい
   4-2-2. 面談室での遮へい
   4-2-3. PET/CT室の遮へい
   4-2-4. 廃棄物保管室の遮へい
   4-2-5. 貯蔵施設の遮へい機器
  4-3. 待機室の関連装置、放射線モニタなど機器類、標識類
   4-3-1. 待機室
   4-3-2. 放射線モニタ
   4-3-3. その他の機器
   4-3-4. 標識類
 
4章 PET用製剤について
 1. 11C
  1-1. 11Cの特徴
  1-2. 11Cを利用した製剤
   1-2-1. 11C-メチオニン
   1-2-2. 11C-酢酸
   1-2-3. 11C-コリン
   1-2-4. 11C-一酸化炭素ガス
   1-2-5. 11C-メチルスピペロン
 2. 13N
  2-1. 13Nの特徴
  2-2. 13Nを利用した製剤
   2-2-1. 13N-アンモニア
 3. 15O
  3-1. 15Oの特徴
  3-2. 15Oを利用した製剤
   3-2-1. 15O-酸素ガス
   3-2-2. 15O-一酸化炭素ガス
   3-2-3. 15O-二酸化炭素ガス
   3-2-4. 15O-水
 4. 18F
  4-1. 18Fの特徴
  4-2. 18Fを利用した製剤
   4-2-1. 18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)
   4-2-2. 18F-FLT
   4-2-3. 18F-FMISO
   4-2-4. 18F-イオン
 5. その他のポジトロン核種を利用した製剤
  5-1. 82Rbを利用した製剤
  5-2. 62Cuを利用した製剤

5章 PET検査の流れ(撮像技術編)
 1. PET検査の流れ −サイクロトロンの有無により異なる施設の運用−
  1-1. メーカーからFDGの供給を受けている場合の流れ
  1-2. サイクロトロン保有施設でのFDGの流れ
  1-3. 製剤患者投与
   1-3-1. 早期像
   1-3-2. 後期像の必要性について
  1-4. 撮像プロトコル(トランスミッション、エミッション)
  1-4-1. PETとPET/CTでの違い
  1-5. 検査後の管理区域内待機
 2. 画像再構成について
  2-1. PET画像の基礎のキソ
  2-2. 画像再構成アルゴリズムの概要
  2-3. 画像再構成アルゴリズムの種類と特徴
  2-4. 今後の画像再構成の展望
 3. イメージフュージョンについて
  3-1. イメージフュージョンとは
  3-2. イメージフュージョンの有用性
  3-3. ハードウェア・レジストレーションとソフトウェア・レジストレーション
  3-4. 相互情報量最大化法
  3-5. イメージフュージョンの実際
   3-5-1. 全身PET/MRIフュージョン
   3-5-2. 全身PET/MRIの撮像
   3-5-3. ソフトウェアの準備
   3-5-4. イメージフュージョンの実際
   3-5-5. Partial Body Fusion法
 
6章 PET診断について(臨床編)
 1. PET検査の手順
  1-1. FDG-PETの適応症例
  1-2. 前処置について
  1-3. 検査手順について
 2. PET診断の基本
  2-1. 生理的集積部位
  2-2. アーチファクト
  2-3. SUV(腫瘍組織放射能比)
  2-4. PET検診について
 3. 頭部(中枢神経疾患)
  3-1. 正常PET像
  3-2. PETの保険適応
  3-3. 診断のための検査の使い分け
   3-3-1. 15O-標識ガス
   3-3-2. FDG-PET検査
  3-4. 統計学的画像診断法
  3-5. 脳血管障害
   3-5-1. 虚血性脳血管障害
   3-5-2. もやもや病
  3-5-3. クモ膜下出血
  3-5-4. 脳血管性認知症
  3-6. 脳腫瘍
  3-7. てんかん
  3-8. 認知症
   3-8-1. アルツハイマー病(Alzheimer disease : AD)
   3-8-2. Mild cogitive impairment(MCI)
   3-8-3. レビー小体型認知症(Dementia with Lewy body : DLB)
   3-8-4. 認知症を伴うパーキンソン病(Parkinson disease with dementia : PDD)
   3-8-5. 前頭側頭葉変性症(Frontotemporal lobar degeneration : FTLD)
   3-8-6. 皮質基底核変性症(corticobasal degeneration : CBD)
   3-8-7. 進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy : PSP)
   3-8-8. ハンチントン病(Hunchington's disease : HD)
 4. 体幹部腫瘍
  4-1. 総論
  4-2. 頭頸部腫瘍
   4-2-1. 頭頸部癌
   4-2-2. 甲状腺癌
  4-3. 食道癌
  4-4. 肺癌
  4-5. 乳癌
  4-6. 転移性肝癌
  4-7. 膵癌
  4-8. 大腸癌
  4-9. 子宮癌、卵巣癌
  4-10. 悪性リンパ腫
  4-11. 悪性黒色腫
  4-12. 原発性不明癌
 5. 心臓(心疾患)
  5-1. FDG-PET
   5-1-1. 適応疾患
   5-1-2. 検査条件とプロトコール
   5-1-3. 評価方法
   5-1-4. 定量評価について
   5-1-5. 画像診断に影響を与える因子
   5-1-6. 症例
  5-2. 心筋血流PET(13N-アンモニア)
   5-2-1. 適応疾患
   5-2-2. 検査条件とプロトコール
   5-2-3. 検査からわかること
   5-2-4. 血流画像からの定量的判定
   5-2-5. 症例提示
  
7章 PET検査における被ばく
 1. 被ばくの分類と線量限度
  1-1. 被ばくの分類と線量限度
  1-2. 放射線影響の種類
  1-3. 放射線防護の体系と3原則
  1-4. PET検査における被ばくの特徴
 2. 患者(被検者)の受ける被ばくと防護
  2-1. 患者被ばくの測定法
  2-2. 患者被ばくの防護法
  2-3. PETとPET/CTの吸収補正による被ばく線量の違い
 3. 医療従事者の受ける被ばくと防護
  3-1. 医療従事者の実効線量と等価線量
   3-1-1. 放射線業務従事者の職種による年間実効線量の違い
   3-1-2. PET業務に従事する者の手指線量
  3-2. 職業被ばくとその対策
   3-2-1. 距離による防護
   3-2-2. 遮へいによる防護
 4. 一般公衆の被ばくと防護
  4-1. 被検者からの線量
  4-2. 公衆被ばくとその対策
 5. 線量計の種類

8章 PET vs. SPECT
 1. 装置の違い
  1-1. PET、SPECT装置の説明
  1-2. SPECT検査の特徴
 2. 製剤の違い
  2-1. PET、SPECT製剤の説明
  2-2. PET、SPECT製剤の製造
 3. PET、SPECTの特徴
  3-1. PET検査の特徴
  3-2. SPECT検査の特徴
  3-3. SPECT/CTの登場
  3-4. 分子イメージング
  3-5. 半導体検出器の登場
 4. 臨床例 −PET、SPECT画像の違い−
  4-1. 頭部領域
   4-1-1. 右内頸動脈狭窄
   4-1-2. 多発性硬化症
  4-2. 心臓 −心筋梗塞
  4-3. 腫瘍 −子宮体癌
  4-4. 腫瘍 −非ホジキンリンパ腫

9章 PET施設の施設基準について
 1. PET診療に伴う法令上の決まり
  1-1. PET診療にかかわる法令と規制主管庁
  1-2. 放射線障害防止法
   1-2-1. 施設の基準
   1-2-2. 行為の基準
   1-2-3. 管理規定の整備
  1-3. 医療法
   1-3-1. 構造設備の基準
   1-3-2. 線量の基準
   1-3-3. ポジトロン断層撮影又はポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影に係る費用を算定するための施設基準
 2. PET検査開始に必要な申請に関して
  2-1. 放射線障害防止法に関する使用の許可と届出の申請
   2-1-1. 使用の許可
   2-1-2. 使用の届出
  2-2. 医療法に関する申請
  2-3. 労働安全衛生法に関する申請
 3. 廃棄物の管理について
  3-1. 気体状の放射性同位元素等の廃棄
  3-2. 液体状の放射性同位元素等の廃棄
  3-3. 固体状の放射性同位元素等の廃棄
  3-4. 廃棄の記録

10章 PET検査における看護
 1. PET検査における看護師の役割
  1-1. PET検査における看護師の役割とは
  1-2. PET検査時の看護
   1-2-1. 問診と検査説明
   1-2-2. 管理区域
   1-2-3. FDG投与
   1-2-4. 待機室
   1-2-5. 検査直前の排尿
   1-2-6. 撮影
 2. 被検者(患者)への対応
  2-1. 静脈路確保に伴う副作用
  2-2. FDG投与後の対応

用語解説

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説明パンフレット見本

索引