卵巣がん治療ガイドライン2015年版

260

再発卵巣癌

CQ 27

Disease free interval(DFI)が6カ月以上の再発
で推奨される化学療法のレジメンは?



推 奨

プラチナ製剤を含む多剤併用療法が強く奨められる

(グレードA)

解 説

再発卵巣癌の化学療法は,初回治療において主として

タキサン製剤+プラチナ製剤の化学療法が施行された症
例が対象になる。再発の治療目標は,症状緩和と延命で
ある。また,再発癌に対する化学療法の奏効期間は初回
化学療法の奏効期間をこえることはなく,化学療法の限
界も認識すべきである。

第Ⅲ相RCTの結果では,プラチナ製剤の単剤療法よ

りもプラチナ製剤を含む多剤併用療法(TC療法,GC療法,

PLD-C療法)が推奨される(

表5

)。また,CALYPSOの

結果,PLD-C療法のTC療法に対するPFS,OSでの
非劣性が証明されたが,その他のレジメン間での比較試
験はない。各レジメンの毒性プロファイルを考慮して選
択すべきである。また,GC療法に対して,2013年承
認の血管新生阻害薬であるベバシズマブの上乗せ効果を
証明したOCEANSの報告や,高異型度漿液性腺癌症例
に対するPARP阻害薬であるオラパリブの維持療法の
有効性を示す報告がある。