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子宮頸がん

ⅠA期(微小浸潤がん)と言われました。

どのような治療法がありますか?

ⅠA1期は、基本的には

単純子宮全摘出術

が推奨されます。状況によって

は「

準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清

」を行う場合もあります。

ⅠA2期は、状況により

骨盤リンパ節郭清

を含む

広汎子宮全摘出術

、ある

いは「

準広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清

」が行われます。

ⅠA期は、わずかに間質に浸潤しているがん

子宮頸部は、表面をおおっている上皮細胞と、その下にある間質細胞(非上

皮性細胞)とで構成されます(19、30ページ参照)。進行期分類でⅠ期とは、
がんが子宮頸部にとどまっているもので、Ⅰ期はAとBに分かれ、ⅠA期はさ
らにⅠA1期とⅠA2期に分けられます。

このようにⅠA期は、がんが子宮頸部にとどまっているものの、ミリ単位で

間質へ浸潤している(入り込んでいる)もので、微小浸潤がんと呼ばれていま
す。日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の2015年の報告によれば、ⅠA期
は子宮頸がん全体の14.6%を占め、そのうち76.5%がⅠA1期です。ⅠA期の
8.1%が20~29歳、42.8%が30~39歳で、ⅠB期以上の患者さんと比較して
若い人に多いという特徴があります。

これらⅠA期の診断は、

表1

に示すように子

しきゅうけいぶえんすいせつじょじゅつ

宮頸部円錐切除術(34ページ・

図1参照)によって行われます。そして、がんが血管やリンパ管などの中に入
り込んでいる「脈

みゃっかんしんしゅう

管侵襲」の有無(陽性+、陰性−)、ⅠA1期ではさらに切除

した組織の断端(切除断端)におけるがん細胞の有無(陽性+、陰性−)を調

解説