2 骨腫瘍病理各論 89

対称に生じる。

単純X線像では円形から卵円形を示す境界明瞭な溶骨像を呈する。溶骨

像は地図状で,薄い硬化性の辺縁を示す場合が多い。腫瘍内部はしばしば
X線透過性であるが,点状・綿毛状・環状・弧状の骨化や石灰化を伴うこ
ともある。高分化型軟骨肉腫との鑑別が困難なことがある。

CTでは髄内に限局した溶骨性病変で,骨皮質の菲薄化を示すことがあ

る。腫瘤内に比較的均等に分布する石灰化を伴う。一般的には骨皮質浸潤
像はみられず,骨皮質の破壊や軟部組織への進展を認める場合には,軟骨
肉腫などの悪性病変を疑う。他に鑑別が問題となる骨梗塞では辺縁部に斑
状の石灰化が存在し,中心部は脂肪濃度を示すため,病変内に広く石灰化
が分布する内軟骨腫とは容易に区別できる。

MRIではT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の境界明瞭な病変と

して描出される。典型例では分葉状の形態を示す。内部の石灰化巣は低信
号域として描出される。CT同様に,T1強調像で中心部に脂肪信号を認め
ないこと,辺縁が不規則でないこと,中心部がT2強調像で高信号を示す
ことから骨梗塞と鑑別できる。

単純X線像

MRI T1強調像

MRI T2強調像

MRI T1強調造影脂肪抑制像

図7 内軟骨腫の画像所見