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  第Ⅰ部 臨床的事項

肝癌治療効果判定基準

 肝切除を除く下記の治療法による肝癌治療効果判定基準は『原発性肝癌取扱い規約 第5版
補訂版』に掲載されているものであるが,今回,同規約第6版の出版にあたり改訂されたもの
である。

対   象

 初回治療および再発治療例を対象とする。なお,原則的に造影CT(造影MRI,造影超音波
検査による代替も可)による治療効果の評価を行うため,画像で腫瘍が描出されることが必須
条件であり,その内腫瘍濃染像を呈する肝内および肝外病変が主な対象である。
 すべての測定可能病変のうち,1臓器につき最大2病変(肝臓の場合は3病変),合計5病変
までを標的病変とする。すべての標的病変の最長径とそれに直交する径の積の和をベースライ
ン面積和とする。標的病変以外のすべての病変を非標的病変とする。

記 載 法

 1 病歴の記載
  ⅰ 肝癌診断確定方法および診断確定日。
  ⅱ これまでに行った治療法(記載方法は,3治療法の記載に準ずる)。
  ⅲ これまでに行った治療の開始および終了日。
  ⅳ 再発診断確定方法および確定日。
 2   各治療開始時の肝癌に関する記載は,『原発性肝癌取扱い規約第6版』(日本肝癌研究会

編)に準拠する。

 3 治療法の記載
  ⅰ   治療法名:肝動脈カテーテル療法(肝動脈化学療法,肝動脈塞栓療法,肝動脈化学塞

栓療法),局所療法(エタノール注入療法,マイクロ波凝固療法,ラジオ波焼灼療法),
放射線療法,全身化学療法(分子標的治療含む)

  ⅱ 治療内容
      薬剤を使用あるいは併用した治療法では薬剤名

(註)

(抗癌薬,リピオドールなど),投

与経路,投与間隔および1回量,投与総回数および総投与量を記載する。

     その他の治療法では,その治療内容を具体的に記載する。
      治療中止例では治療中止理由および有害事象の有無。

: 薬剤には化学療法薬,エタノールのように腫瘍に直接注入し壊死を生じる薬剤,および肝

動脈塞栓療法に併用する塞栓物質を記載する。

  ⅲ 治療開始日および終了日