J.進行度分類(Stage)  

27

肝内胆管癌(胆管細胞癌)

 この進行度分類(Stage)は,肝内胆管癌のうち「腫瘤形成型」およびその「優越型」のみに
適用し,「胆管浸潤型」・「胆管内発育型」およびそれらの「優越型」には適用しない。進行度
は,各項目別にその患者の進行度値を求め,そのうちの最も高い数値をあてる。進行度を次の
4つのStageに分類する。

表 .肝内胆管癌の進行度

 

因子

Stage 

T因子

N因子

M因子

StageⅠ

T1

N0

M0

StageⅡ

T2

N0

M0

StageⅢ

T3

N0

M0

StageⅣA

T4

T1,T2,T3

N0
N1

M0
M0

StageⅣB

T4

T1,T2,T3,T4

N1

N0,N1

M0
M1

 T因子: 癌腫の「個数」,「大きさ」,「血管侵襲(Vp,Va)・主要胆管(胆管一次分枝または

総肝管)への浸潤(B

3

またはB

4

)」の3項目によって規定される。

表 .肝内胆管癌のT因子

T1

T2

T3

T4

① 腫瘍個数 単発
② 腫瘍径 2 cm以下
③ 血管侵襲・主要胆管への浸潤なし
  (Vp

0

,Va

0

,B

0~2

① ② ③
すべて合致

2項目合致1項目合致

すべて

合致せず

 N因子:
  N0:リンパ節転移を認めない
  N1:リンパ節転移を認める
 M因子:
  M0:遠隔転移を認めない
  M1:遠隔転移を認める

参考:肝癌統合ステージング
 肝細胞癌の進行度と肝障害度を組み合わせた,いわゆる「統合ステージング」がいくつか報告され
ているが,どの分類法が優れているかの評価は定まっていない。ここではわが国および海外で比較的
普及していると思われるOkuda分類

5)

(表10),CLIPスコア

6)

(表11),BCLC分類

7),8)

(表12),JISス

コア

9)

(表13),modified JISスコア

10)

(表14),Tokyoスコア

11)

(表15)を参考資料として掲載する。

: 統合ステージングは患者の予後予測には有用であるが,異なる治療法間の比較や治療法選択に用

いることは適当ではない。単一治療法の施設間比較に用いる場合も同一ステージの中にまった