3CQ7
 デキサメタゾン3.3~6.6 mg静注(4~8 mg経口)単剤投与か,状況に応じてプロクロ
ルペラジンもしくはメトクロプラミドも使用する。さらにロラゼパムやH

2

受容体拮抗薬

あるいはプロトンポンプ阻害薬の併用も検討される(→23頁,制吐薬治療のダイアグラ
ム③参照)。

4
 最小度リスクの抗がん薬に対しての制吐薬は基本的に不要である。

 薬剤の催吐性リスク分類は単剤での評価が基本であるが,同一薬剤であっても投与
量,投与法によって異なり,さらに近年ではいずれの悪性腫瘍においても多剤併用療法
が主流となっているため,催吐性リスクが過小評価とならないよう細心の注意を払うべ
きである。この点に関して,アントラサイクリンとシクロホスファミドの併用療法につ
いて,それぞれ単剤(シクロホスファミド≦1,500 mg/m

2

)では中等度リスクに分類され

るが,NCCNガイドライン2013では高度リスク群として明記され,MASCC/ESMOガ
イドライン2011およびASCOガイドライン2011においても公式の推奨ではないものの
嘔吐頻度が高いことが示されている〔→27頁,

(1)悪心・嘔吐に対するリスクの把握参照〕。

さらに,抗がん薬を複数日にわたって施行するレジメンの場合,薬剤の投与順序に応じ
て急性嘔吐と遅発性嘔吐が重複する場合もあり,より綿密な治療計画が望まれる。その
一例としてリンパ腫におけるESHAP療法では,1日目から4日目は中等度リスクとし
て対処し,高用量シタラビンが投与される5日目以降は高度リスクとして対処する。

】欧米では,新規NK

1

受容体拮抗薬として,半減期がアプレピタントより長い

Netupitantとパロノセトロンの合剤であるNEPA,Rolapitantが使用されている。

✚✚

参考にした二次資料

① NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology—Antiemesis—ver. 1, 2015
② MASCC/ESMO Antiemetic Guidelines 2013
③   Basch E, Prestrud AA, Hesketh PJ, et al. Antiemetics:American Society of Clinical 

Oncology clinical practice guideline update. J Clin Oncol. 2011;29:4189—98.



( )エビデンスレベル

 1) Dexamethasone alone or in combination with ondansetron for the prevention of delayed 

nausea and vomiting induced by chemotherapy. The Italian Group for Antiemetic 
Research. N Engl J Med. 2000;342:1554—9. 

(Ⅱ)

 2) Chawla SP, Grunberg SM, Gralla RJ, et al. Establishing the dose of the oral NK1 antagonist 

aprepitant for the prevention of chemotherapy—induced nausea and vomiting. Cancer. 
2003;97:2290—300. 

(Ⅰ)

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